Salesforce.comは、カリフォルニア州サンマテオを拠点とするビジネスデータプロバイダーのJigsawを1億4200万ドルで買収する。Salesforceデータベースにおけるコンタクトリストを、顧客がより容易に構築できるようにするための動きである。
このたびのJigsaw買収は、米国時間4月21日に発表された。
Salesforceは、企業向けにクラウドベースの顧客関係管理(CRM)アプリケーションを提供している。企業は、顧客やクライアントなど取引先の状況を確認したり、連絡を取ったりする必要がある。しかし、しかし、取引先を検索、追加、整理する作業は、特にデータベースへの情報入力を手作業で実施している場合には、煩わしいものになりがちだとSalesforceは述べている。
Jigsawは、企業および主要な従業員を検索可能なオンラインデータベースを提供している。まさに、Salesforceのユーザーが求めていた種類のデータである。しかし、Jigsawのデータベースには、ちょっとした仕掛けがある。つまり、クラウドソーシングによってデータを収集しているのだ。例としてWikipediaが挙げられるように、クラウドソーシングでは、ユーザーによる自由な情報追加を奨励している。Jigsawの120万人以上もの会員の協力によって、同社のデータベースは現在、企業およそ400万社の2100万人以上もの専門家の連絡先情報を提供していると、Jigsawは述べている。
Jigsawの買収により、Salesforceは、Salesforceデータベースにシームレスに統合可能な、連絡先情報をより容易に特定、購入、管理するための機能を、自社のユーザーに提供する計画である。Salesforceは、この買収により、Jigsawで見つかる取引先情報をベースにした新しいアプリケーションを構築する機会が、開発者やソフトウェアベンダーにもたらされると考えていると述べた。
JigsawによってSalesforceは、30億ドル規模の成長著しいクラウドベースデータサービス市場への参入の足がかりを得て、Dun & Bradstreet、Hoover's、LexisNexisなどの情報サービス企業と提携する機会を開拓することもできると、Salesforceは述べた。
Salesforceの最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏は声明で、「Salesforce.comは、データサービス業界をCloud 2の時代へと導くことを大変うれしく思っている」と述べた。「Jigsawによって、Wikipediaのように容易にデータを特定し、iTunesのように容易にデータを購入し、Facebookのように容易にデータ変更の最新状態を把握することができるようになる」(Benioff氏)
Salesforceは、1億4200万ドルを現金で支払うとともに、Jigsawの実績に応じて、さらにその買収金額の最大10%を上乗せする予定である。買収は7月締めである同社会計年度の第2四半期に完了する見通しとなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」