米司法省、携帯電話の位置追跡に「令状は不要」との見解 - (page 2)

文:Declan McCullagh(Special to CNET News) 翻訳校正:湯本牧子、高森郁哉2010年02月15日 12時37分

 サンフランシスコ大学のFreiwald氏、アメリカ自由人権協会(ACLU)、電子フロンティア財団(EFF)、および民主主義と技術のためのセンター(CDT)は、裁判所に提出した摘要書の中で、合衆国憲法修正第4条により米国人は少なくとも、捜査令状を持たない警察官によって自分の所在地を特定されることはないというプライバシーを保障されていると述べた。また、これらの人権団体はまた、現行法が裁判官に対し、相当の根拠に基づく捜査令状を求める柔軟性を与えていると述べた。

 EFFの代理人Jennifer Granick氏は、1つの可能性として、第3巡回控訴裁判所が地裁判事に対し、保存された記録によって携帯電話の位置をどれだけ正確に特定できるのかなど、携帯電話の位置追跡技術についての詳細を知るための公聴会を開くよう命じるかもしれないと述べた。Granick氏は審理の終了後、裁判官が「これまで答えられていない正確さに関して、事実を問う質問を数多く投げかけた」と述べた。

 この件の審理を担当するのは、Sloviter氏のほか、第9巡回控訴裁判所のAtsushi Tashima氏Jane Roth氏だ。Roth氏は、2月12日の審理には出席しなかったが、筆記録を事後審査するとみられる。

 アルコール、タバコ、火器および爆発物取締局(ATF)は、容疑者の一団が「麻薬密売を円滑に行うために、携帯電話を使用して会合や取引の手はずを整えている」として、携帯電話の位置履歴情報(保存された情報を意味し、将来の情報ではない)を開示する命令を出すよう裁判所に求めている。この保存された情報がどの程度詳細なものなのかは不明だ。ある証言によると、FBIはこの情報を使ってブロック単位まで位置を把握できるが、おそらく建物の特定はできないだろうという。

 Obama政権は、捜査令状は必要ないと主張している。必要なのは米国連邦法典第2703条(d)項に基づく裁判所命令だけだという立場だ。同条項は法執行機関に対し、その記録が「捜査中の事件に関連性があり、重大な意味を持つ」ことを示すよう求めている。この基準は、捜査令状を発行するのに必要な基準よりも緩くなっているため、プライバシー保護の点で劣る。

 人権団体は、修正第4条およびプライバシーに関する連邦法が守られているかぎり、政府が正当な目的のためにこうした情報を取得することに反対しているわけではないと述べている。Freiwald氏は、これは「ポケットやバッグの中に携帯電話を入れて持ち歩く全米国人のプライバシーを侵害し得る、まったく新しい技術だ」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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