シャープは9月16日、コントラスト比5000対1を実現する「UV2 A」(ユーブイツーエー)技術を採用した次世代液晶パネルを開発した。光開口率が高く色再現力に優れるとともに省エネ性能も備えるという。
代表取締役副社長デバイス事業担当の井淵良明氏は「シャープではASV液晶技術を確立することで、液晶テレビ市場を拡大してきた。しかし昨今では世界的に環境性能もクローズアップされ、省エネテレビへ高い関心が集まっている。当社では時代の要請に応えるべく、ASV液晶に代わる新しい液晶技術の開発に着手してきた。ASV液晶で培ってきた技術を結集し、新技術UV2 A技術を開発。これによってシャープの液晶は変わる。UV2 A技術は液晶のシャープだからこそ実現した技術だと考えている」と新液晶に対する自信のほどを話した。
UV2 A液晶技術は、新配向技術によりピコレベルで液晶分子を制御できるというもの。バックライトからの光もれを抑えることで「沈んだ黒」、開口率を高めたことで「あざやかな色再現」を実現するという。
これにより、コントラストは従来比1.6倍となる5000対1を実現。開口率は同20%以上のアップになるとのこと。従来ドミノ倒し的に伝搬していた液晶分子への配向規制力は、一度にすべての液晶分子が応答する全面均一応答へと改善されることで、応答速度は4ms以下になるという。
画素構造は、リブやスリットを省いたシンプル構造にすることで、高生産性を確保したとのことだ。
UV2 A液晶技術を採用した液晶パネルは、10月から稼働する大阪・堺工場、亀山第2工場で生産されるとのこと。生産開始時期は堺工場で2009年度下期からとしており、製品化のスケジュールについては「期待してほしい」(井淵氏)と早期の市場投入に意欲を見せた。
堺工場での生産パネルはほとんどがUV2 A技術を採用したものになるとのこと。亀山第2工場に関しては、装置を順次導入していくという。シャープでは、現行の液晶テレビだけでなく、高精細4K2Kディスプレイや3Dテレビにも最適な技術としている。
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