ソニーは、液晶ディスプレイの高速応答を可能にする新たな液晶配向技術「Hybrid FPA(Field-induced photo-reactive alignment)」を開発した。3ミリ秒以下の高速応答を実現し、3Dやハイフレームレート動画などの画質を向上するとしている。
液晶の応答速度を向上させるには、液晶分子にあらかじめ傾き(プレチルト)を付与しておく方法がある。ソニーでは、独自開発の配向膜を用い、プレチルトを保持する技術「FPA」を5月に開発発表した。今回のHybrid FPAは、FPA技術をさらに発展させたものとしている。
FPA技術は基板の両側の配向膜でプレチルトを保持していたが、新開発のHybrid FPAでは、片側の配向膜のみにプレチルトを保持させることで、液晶の応答速度をさらに向上させたとのこと。なかでも電圧オフ時の液晶応答速度を大幅に向上させたほか、高コントラストにも結びついたとしている。
ソニーは、今回の新技術により、3Dやハイフレームレートの動画表示などの画質向上に寄与するほか、液晶パネル製造時および長期間使用時の品質安定性、製造工程、処理時間の短縮による生産性向上などが期待できるとしている。
今後は早期実用化に向け、電子材料やディスプレイ材料のリーディングカンパニーであるJSRと配向膜材料について共同開発をすすめていく方針だ。
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