米国の電子製品環境評価基準「EPEAT」、日本など世界的な利用が可能に

文:Martin LaMonica(CNET News) 翻訳校正:佐藤卓、小林理子2009年08月11日 12時23分

 Green Electronics Council(GEC)は米国時間8月10日、米国政府機関での準拠が義務付けられている「Electronic Product Environmental Assessment Tool(EPEAT:電子製品環境アセスメントツール)」評価システムを、米国以外の国で販売されているコンピュータ製品でも利用できるようにすると発表した。

 EPEATにより認証された製品は、データベースに登録される。製品は23種類の属性について判定を受け、それによって環境パフォーマンス評価が下されるほか、28種類のオプション属性もある。

 評価はゴールド、シルバー、ブロンズの3種類で判定され、現時点ではモニタとコンピュータが対象だ。メーカー、リサイクル業者、および環境擁護団体で構成されるGECでは、テレビ、プリンタ、コピー機についてのEPEAT評価基準を策定している。また、GECのエグゼクティブディレクターJeff Omelchuck氏によれば、家電製品やサーバも対象にする予定だという。

 今回、日本、カナダ、欧州、中国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、およびメキシコで、モニタおよびコンピュータについてこのデータベースを利用できるようになる。GECによれば、現時点で登録されている製品は1300種類、参加ベンダーは30社で、これは600億ドルのIT支出に相当するという。

 米エネルギー省管轄の「ENERGY STAR」がエネルギー効率を評価するのに対し、EPEATは、電子機器に使用されている有毒物質の量、リサイクルと回収に対するメーカーの方針、製品の梱包など他の要素も対象としている。

 EPEAT認証を取得しようとするメーカーは、詳細な情報を申請書に記述して、EPEATによる審査を受ける必要がある。また、監査も独自に実施しており、これは「公正さを維持するために」第三者機関によって行う場合もあるとOmelchuck氏は言う。GECは、加盟団体からの資金で運営されている非営利団体だ。

 米国の連邦政府機関は、使用するコンピュータ機器の95%をEPEAT認証済み製品にすることが義務付けられている。しかし、実際の達成率は低く、2008年の段階で購入率95%に近づいたのは22機関のうちおよそ13だったと、GECのコミュニケーション担当ディレクター、Sarah O'Brien氏は述べた。

 しかし、企業のコンピュータ購入担当者の間ではEPEATへの関心が高まりを見せていると、Hewlett-Packard(HP)で戦略的マーケティングおよび持続可能性戦略担当ディレクターを務めるSteve Hoffman氏は言う。HPでは、2007年からEPEAT認証を受けた製品を発売している。

 「公的機関から一歩外に出れば、環境に対する意識の高まりは明らかだ」とHoffman氏は語った。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ

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