Facebookから出されたプレスリリースの中でも、今回の買収の主な目的が、その製品というよりは人材であることが繰り返しほのめかされている。
Facebookの創設者兼最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は、「初めてFriendFeedに触れて以来、情報を共有する上で、これほどシンプルながら優れたサービスの開発を手がけたチームを尊敬してきた。今回の件が示しているように、われわれは今後もFacebookへ最高のエンジニアが集い合い、多くの人々が使える優れた製品を速やかに提供できる環境を整えていきたい」との声明を出した。
FriendFeedの共同創設者であり、以前はGoogleでGmailの開発における核となる役割を担ったPaul Buchheit氏は、「Mark Zuckerberg氏やFacebookの経営陣とのコミュニケーションを通じて、そのオープンでクリエイティブな社風、また、Facebookへ加わるようにと招いてくれる強い熱意に感銘を受けた。情報共有を成し遂げるシンプルで革新的な手法を人々へ提供するために、どれほど熱い思いでFacebookのエンジニアが開発を進めているのかは明白であり、こうして同じ思いを持つ開発チームに加われることを非常に楽しみにしている」と述べた。
とはいえ、Facebookの製品ディレクターであるChristopher Cox氏は、米CNET Newsに対して「今回の買収が人材獲得を目指したものであるとは考えていない。われわれは、Facebookが単なる目的地としてではなく、サービスとして発展していくことにフォーカスしたビジョンを持っている。(中略)FriendFeedはオープンな手法でのサービス提供にフォーカスしてきており、これこそFacebookが興味を抱いている点であって、FriendFeedの人材というよりは開発製品に着目しているのだ」と語っている。
FriendFeedは、Robert Scoble氏を筆頭に、シリコンバレーの複数の著名な人物からの賞賛を得てきてはいるが、FriendFeedの掲げる、オンライン上のあらゆるソーシャルネットワーク活動の更新情報を1カ所に集めるサービスというコンセプトは、なかなかメインストリーム層における支持を得られるまでには至っていない。だが、Facebookは「ニュースフィード」機能のアップグレードなどを通じて、ユーザーが特定のサードパーティーから提供されるアップデートにも対応可能とし、結局のところ、FriendFeedのビジネスモデルにも似た展開を試み始めていた。
Bret Taylor氏は、FriendFeedが身売り先を求めてきたわけではないことを明らかにしている。「FriendFeedが買い手を求めていたことなどない。FriendFeedの財務状態は健全であり、非常に効率的な経営手法が取られてきた。製品ビジョンという観点で両社が似通っていることに気づくにつれて、次第にFacebookとの非公式の交渉が進むようになったのだ」と、同氏はCNET Newsに対して語った。
Facebookは、FriendFeedの開発チームを自社のエンジニアリングチームへと早期に取り込むことを望んでいるようでもあるため、今後のFriendFeedの提供サービスの展開に関しては、いまだ定かではない。Taylor氏は「FriendFeed.comでの提供サービスだが、当面は通常どおりに継続していく予定である。現時点では、Facebookの開発チームと共に製品の長期的な提供プランについて話し合いが進んでいる段階である」と、FriendFeedの公式ブログへの投稿で記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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