調査会社NPD Groupの報告によると、米ビデオゲーム業界の2009年3月の売上高は、前年同月比17%減であったという。同業界の売上高が減少するのは、現在の景気後退が始まって以来、初めてのことである。
同業界の3月の総売上高は14億3000万ドルで、前年同月の17億2000万ドルから17%減少したとNPDは報告している。ハードウェアの売上高は18%、ソフトウェアは17%減少した。
数字的には減少しているものの、NPDのアナリストであるAnita Frazier氏は、減少した要因の一部は2008年と2009年の偶発的な相違点によるものだと述べた。
Frazier氏はNPDの報告書に添付されたメモに、「3月期の決算から、ビデオゲーム業界にも陰りが見え始めたと結論付けたくもなるだろうが、2009年と2008年には大きな相違点が2点あったことを考慮することが重要である」と記している。「1つは、2008年は3月にイースターがあったが、2009年は4月にあること、もう1つは2008年3月にはその年の最も売れたゲーム第4位に輝いた『Super Small Bros.: Brawl』が発売されたことだ」(Frazier氏メモ)
確かにそれらの影響もあるかもしれないが、特にハードウェアの売上高が総売上高と同程度に減少している事実から考えて、1つのゲームの売れ行きが業界全体を覆すほど大きく影響するとは思えない。
総売上高も2月の14億7000万ドルから2.7%減少しており、ソニーの「PLAYSTATION 3(PS3)」「PS2」「PSP」、Microsoftの「Xbox 360」、任天堂の「Wii」および「DS」というNPDが調査した6種類のハードウェアプラットフォームすべてにおいて、3月の売上高は2月を下回っている。PS3とWiiの減少幅は最も大きく、それぞれ21.0%および20.2%減となっている。
一方Xboxは、3月の売上高は2月を下回ったものの、減少幅はPS3やWiiよりも小さく、Frazier氏の報告によると、前年比売上高が増加したのはMicrosoftのゲーム機のみだったという。
Frazier氏は、「3月のハードウェア売上高が2月を下回るのは珍しいことではないが、ほとんどのゲーム機において、販売台数は増加するものと予測していた。前年比売上高が増加したゲーム機はXbox 360のみであった」と記している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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