グーグル、ゲームメーカーValve Softwareを買収とのうわさ

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、長谷睦2008年09月18日 10時40分

 Googleが著名なビデオゲームメーカーのValve Softwareを間もなく買収すると、The Inquirerが「信頼できる情報筋」の話として報じた

 ワシントン州ベルビューに拠点を置くValve Softwareは、「Half-Life」シリーズなどのゲームで名を上げている。しかし、The InquirerのCharlie Demerjian氏の推測によると、GoogleがValveに関心を抱いた最大の要因は、多数のユーザーをつなぐ同社の多目的オンラインハブ技術「Steam」だという。

 この理由を聞くと、筆者もなるほどとうなずけるところがある。というのも、Googleがビデオゲーム市場そのものに参入するのは、「世界の情報を整理し、世界中がアクセスできて使えるようにすること」というGoogleの使命と、それほど合致しているように思えない部分があるからだ。Steamはオンラインプラットフォームで、ゲームの販売、配信のほか、パッチの更新、マルチプレーヤーによるオンラインチャットの実現、ゲームのバージョンやゲームの舞台といったゲームを構成する要素の使用権を制御するデジタル著作権管理(DRM)といった機能を担っている。

 こうした機能の多くは、現時点ではゲーム向けに特化されている。しかし筆者の見たところ、より広い分野で応用できない理由はないように思われる。言うまでもなく、Googleはオンライン活動向けのクリアリングハウスを目指しており、Steamの技術を取り入れれば新たな専門知識を得られる可能性がある。

 Steamを紹介するValve Softwareのサイト「steampowered.com」には、現在多くのゲームが掲載されている。また2008年2月の時点で同社は、Steamのアカウント所持者が1500万人を超えたと発表している。しかし、その人気をより明確に物語る統計数値がある。Steamには、ピーク時で毎日約120万人のユーザーがログインして活動を行っている。これはかなりの数字であることは明らかだ。

 Googleは声明で「市場のうわさや憶測についてはコメントしない」と述べている。Valve Softwareにも問い合わせたが、回答はなかった。

 太平洋夏時間9月17日午前9時40分更新:ゲーム情報ブログのKotakuに、当記事の内容に水を差す記事が掲載された。同サイトはValve Softwareのマーケティング責任者を務めるDoug Lombardi氏に話を聞き、Googleの買収は「まったくのうわさにすぎず、いくぶん脚色されている」という趣旨の発言をしたと報じている。この記事はLombardi氏の言葉を直接引用していないうえ、表現に多少あいまいな部分もあるが、Kotaku自体もGoogleは「買収先候補から外れた」と結論づけている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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