Austin American-Statesmanの報じるところによると、Advanced Micro Devices(AMD)が製造部門を分社化するという。
Austin American-Statesmanは、米国時間7月14日の週にAMDの新最高経営責任者(CEO)であるDirk Meyer氏にインタビューを行い、その内容を明確に伝えている。その記事では、「Meyer氏によると、AMDは数カ月後に大規模なリストラを予定しており、その際には製造部門を分社化して、新しい所有者に売却することになるだろう」と伝えている。
AMDの広報担当者Drew Prairie氏は、Meyer氏の発言が誤って引用されたと述べたものの、同社の今後の計画について詳細を述べることはしなかった。ただし同氏は「AMDにとって、ウエハの製造体制を変革することはとても重要である」と述べている。
1つ明らかなのは、AMDが何カ月もリストラの詳細を詰めようと努力してきたことだ。「われわれは大きく前進した。2008年末までにこれを実行できると期待している」。先週、CEO退任を発表したHector Ruizは、7月17日の第2四半期決算発表の席上でこのように述べた。
2008年内に実行されるのは、製造部門の完全な分社化ではなく、会社の部分的な再編成になるだろう。だからと言って、Austin American-Statesmanの記事の基本的な論調は必ずしも間違っているというわけではない。AMDの最高財務責任者(CFO)であるBob Rivet氏は17日、2008年第2四半期決算を発表する電話会見において、同社の「Asset Smart」計画は「AMDにとって大規模な改革となる」と述べている。Asset Smart計画は、AMDが同社の製造部門のリストラ計画に冠した名前である。
Prairie氏は「CEOの交代が今の時期に行われたのは、Asset Smart計画が最終段階に到達しているということとも関係がある」と述べるとともに、「それは、会長自らが専念して完遂させる必要のある段階にある」と述べている。CEO兼会長であったHector Ruiz氏は17日にCEOの職を退いている。
17日に行われたAMDの決算発表における最も大きなニュースは、Meyer氏がCEOとなる一方、Ruiz氏が会長としてAMDに留まり、Asset Smart計画を監督していくということだった。この人事が、AMDが製造部門を分社化するという憶測を呼んだのだった。ここで浮上する質問は、製造部門のうちのどれくらいをAMDが保持し続けるのかということだ。
Prairie氏によると、AMDはすでにAsset Smart計画に基づいた関係をIBMと築いているという。同氏は「われわれは、製造技術面でIBMと良好な関係を築いている。これは、今までのAsset Smartにおいてわれわれが実現してきたことの一例だ。直径300ミリメートルのウエハを、IBMの施設でテストできるようになったため、そのための施設を自社で保有する必要がなくなったのだ」と述べている。
しかし、CRT Capital GroupのシニアバイスプレジデントであるAshok Kumar氏によると、AMDが製造部門を分社化する際にパートナーとして選ぶ可能性の最も高い企業は、シンガポールに拠点を置くChartered Semiconductor Manufacturingであるという。また同氏は、AMDのリストラに一役買う可能性のある企業として、現在AMDのグラフィックプロセッサを製造している台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company:TSMC)を挙げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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