技術的な観点からは、コンピュータ生成映像を古い映画のスタイルに違和感なく調和させるにはいくつかの課題がある(レンズのキズなど)。その流れで言えば、コンピュータアニメーションはその部分だけ画質が突出してはならず、ILMにその仕事をやらせれば、観客は映画の中に45分間のCGIが挿入されていてもほとんど気づかないだろうとLandis氏は言う。興味深いことに「クリスタル・スカルの王国」のCGIでは約300人が社内で働いたが、これは映画のセット作りにかかわったのと同じ人数だとLandis氏は説明する。
もう1つの技術的な課題は、映画で使用される各種のCGIの配置そのものである。過去のシリーズ作品と同様に今作でも全世界で冒険が展開されている。「われわれはこの作品にすべてのものを投入している」と、Landis氏は水、空間、髪の毛、生き物などの例を挙げた。
例えばハワイで撮影されたジャングルの追跡のシーケンスでは、その領域をもっと未開の土地に見せるために、チームはILMのバーチャルガーデンライブラリを活用し、青々と茂った植物をデジタルで追加した。比較的平らな1本の道路が、魔法にかけられたように劇的な断崖絶壁の道に変わったと、Landis氏は説明する。
ILMはまた、この映画のために「Fracture」という名称の新しいソフトウェアツールも作成した。これによって特殊効果チームは巨大な「張りぼて」(例:建物)を「破壊」(例:爆破)することが可能になるとLandis氏は述べる。これらのことは健康のリスクやその他の制約のためにCGIが登場する以前には絶対に不可能だったとも言い添える。
Spielberg氏と仕事をすることについてLandis氏は「気分が一新されるようだ」と述べている。その理由は、Spielberg氏はいつも自分のやりたいことついて明確な大局的アイデアを持っており、細かいことは他人に任せるからだという。
Landis氏の次の仕事は、もう1つのノスタルジー指向のプロジェクトである。それはディスニーランドのアトラクション「スターツアーズ」の改修である。大きな疑問は、「キャプテンEO」は復活するかということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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