・話をiPhoneに戻すと、同製品でAdobeのFlash技術がすぐにサポートされることを期待しない方がいい。Jobs氏は、正式なPC用FlashをiPhoneで使用することについて、「動作が遅すぎて実用的でない」とし、さらにモバイル版の「Flash Lite」については、「ウェブでの使用に十分ではない」と語った。その中間となるオプションが存在しないことから、どうやら基本的なハードウェアの性能が向上するまで、FlashがiPhoneでサポートされることはなさそうだ。
・その他iPhoneに関連して出された、中国移動通信集団(チャイナモバイル)との交渉についての質問に対し、Cook氏は、これまでに「複数回話し合いを行った」と述べた。Appleと中国移動通信集団の間の交渉については、どれくらいの数のロック解除されたiPhoneが中国で出回っているかということに関連して複数の報道がなされている。Cook氏は、iPhoneの正式な販売に伴い「いずれ中国に進出することは間違いない」と述べたが、その日程について新たに情報を提供することは避けた。
2008年に入ってから続いているAppleの株価下落に関する質問があまり出なかったことは驚きだった。Appleの株主の多くが同社の業績に満足だったことから、Jobs氏は過去2年間、同社のストックオプションをめぐるバックデート問題について、株主総会の場で長時間にわたる批判にさらされることを免れてきた。
1つだけ、ある投資家から、Appleの株価が急落した際、Jobs氏は従業員を鼓舞する内容の書簡を彼らに送付する一方、株主に対し同じようにしなかった理由をただす質問が出された。これに対しJobs氏は、経営陣の主要な業務は従業員を管理することにあり、株主を管理することではない、と答えた。
実のところ、Appleの株価下落は、最近になってiPhoneの売れ行きを懸念する声が上がっている点を除けば、同社が取った施策よりもむしろ景気全般が大きく影響しているようだ。Jobs氏はIT業界において最も影響力のある経営者の1人かもしれないが、同氏をしても、現在持たれている懸念の多くの原因となっているサブプライムローン問題がもたらす影響を前に、打つ手はあまりなかったようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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