Microsoftのチーフ環境ストラテジストであるRobert Bernard氏は今週、何度か公の席で発言しているが、その中で同社の「グリーン」戦略に関する洞察の一端を紹介した。
Bernard氏は約4カ月前に現在のポストに任命されたが、それ以前はMicrosoftで10年にわたって他のIT企業との提携事業に携わっていた。
他のIT企業はそれぞれの「グリーンIT」構想を打ち出しているが、これまでMicrosoftはこの分野ではあまり目立った動きを見せていなかった。
例えば、IBMが2007年に導入した「Big Green Innovations」事業はデータセンタのエネルギー効率に焦点を合わせたものだが、この事業にはサプライチェーン内部の二酸化炭素排出量を削減する方法などについて企業にアドバイスするコンサルティング業務などの活動も含まれている。
サンフランシスコで開催された「Cleantech Forum」のあるセッションで、Bernard氏は業界全体でソフトウェアのエネルギー消費量を削減することが自分の主要な目的の1つであると述べた。
Bernard氏は、エネルギー消費量の3〜5%はソフトウェアに由来するものであるが、Microsoftはパートナー、特にハードウェアメーカーと協力して、その他の95%のエネルギー消費の削減に取り組んでいく意向であると述べた(ZDNetでBernard氏の講演の模様のビデオを見る)。
「Windows Vista」には電源管理機能が搭載されており、コンピュータが使用されていないときには10〜30分以内に消費電力を自動的に100ワット以上から3〜5ワットにまで削減することができると、Bernard氏は述べた。
「ほとんどのユーザーはスクリーンセーバーを起動していれば消費電力の節約になると思っているが、実際にはそのスクリーンセーバーを起動しておくために100〜250ワットの電力をまだ使っているのだ」(Bernard氏)
電気代の値上がりのため、データセンタにおけるエネルギー消費量が企業にとっての大きな懸念事項になっている。また、二酸化炭素排出量を測定してこれを削減しようと取り組んでいる企業も増えている。
2月27日にリリースされた「Windows Server 2008」には、所定の負荷の量に合わせて適切なエネルギー消費量を決定するインテリジェンス機能が搭載されている。
「サンフランシスコの端から端まで移動するのにフェラーリは必要ない」とBernard氏は言う。Windows Serverはエネルギー管理機能によってハイブリッド車の「プリウス」のように動作することが可能になる。
多くの企業が(たいていは仮想化によって)強力に推進しているサーバ統合には、電気の使用量を低減する利点がある。
電力ネットワーク網の管理においても、特に既存の一元的な発電所に加えて分散型の発電施設が増えてきているため、ソフトウェアが重要な役割を果たすようになっている。
「(急速に増加している)小規模発電と既存の大規模発電の両方があるとしよう。そうすると、システムを管理してそれを個々の使用者に結びつけるために必要となるソフトウェアは非常に複雑なものになる」(Bernard氏)
Bernard氏は投資家と起業家に向かって、企業が考案した技術を既存のエネルギーネットワークに統合するためのソフトウェアインフラストラクチャを作成する必要があると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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