サーバに水冷ブームが再来し、Dellが早速参入してきた。
Dellは、高度冷却システムとサービスをデータセンターに販売すべく部品および産業設備メーカーと提携した。
DellとEmerson Network Powerが交わした契約の金銭的条件は明らかにされていない。提携は米国時間6月28日に発表された。
Emersonが保有する補助冷却技術の1つは「Liebert XD」と呼ばれる。XDでは、データセンター内のサーバラック全体に冷媒管が張り巡らされる。液体冷媒は、サーバ近くにあるパイプに来ると、コンピュータから出る熱を吸収して気化され、冷却ユニットに戻される。そして、冷却ユニットで液体に戻され、再び処理サイクルに入る仕組みだ。
Emersonのマーケティング担当バイスプレジデントFred Stack氏は、カリフォルニア州サンフランシスコでプレゼンテーションを行い、この水冷システムがほかのタイプの冷却システムと比較して冷却力の負荷を約30〜50%削減することを明らかにした。データセンターでは、使用電力全体の約半分が冷却で消費される場合がある。よりエネルギー効率の高い冷却方法を使えば、ITマネージャーがコスト削減を実感し、その分の予算をサーバに振り分けることができると、Stack氏は語っている。
同氏は、「(サーバの)近くで冷却する点が一番大きい。冷却コイルを可能な限りコンピュータに近づけている」と語っている。
従来のシステムでは、エアコンが床のタイルを通して冷たい空気を送っていた。
現在までのところ、約6000台のサーバラックがLiebert XDで冷却されていると、Stack氏は語っている。
IBMとHewlett-Packard(HP)も同様の水冷システムを持っているが、Stack氏は、この両社が冷媒ではなく水を使っている点を指摘した。熱の吸収は冷媒の方が断然優れていると、同氏は断言する。
コンピュータアーキテクトがコンピュータやコンポーネントの冷却に水冷システムを採用することは数年前から時々あった。しかし、これらのシステムの大半はポンプが必要で、信頼性やエネルギー効率が懸念されていた。このようなトレードオフがあるため、これまでは空調の方が好まれていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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