新技術の展開により増大する消費電力や熱はコンピュータ管理者の悩みの種である。こうした問題に対応するためHewlett-Packard(HP)は、まもなく水冷システムの販売を開始する計画である。
「Modular Cooling System」はHPのコンピュータ関連機器のラックの側面に備え付けられ、データセンター全体から隔離された、冷却された空気を封じ込めた空間を提供する、とHPのIndustry Standard Serverグループでストレッジおよびネットワーキング、インフラストラクチャ担当バイスプレジデントを務めるPaul Perezは述べた。
Perezによると、顧客にアプローチする際に「以前はIT担当者に話をしていた」が、消費電力の問題があるため、「今ではITと設備の両担当者と同時に話をするようになっている。顧客は『電気代の予算は今後3年間でいくらになるか』と聞く。そして消費電力コストが高いことにショックを受けた後に、さらに『HPはコスト削減をどのように支援するのか』と聞いてくる」という。
この冷却システムのおかげで、1ラックあたり30キロワットもの電力を消費することが可能になる。これは他の方法と比べると約3倍に相当する能力で、データセンターの冷房システムにも問題を及ぼさないとPerezは言う。ただしこの冷却システムは、システムの水を冷却するために、さらに外部の冷水システムとの接続が必要である。
Control Data Corp.やCrayといった企業の年代もののコンピュータに利用されていた液体冷却法は、新技術がもたらす問題により再び注目されはじめている。プロセッサは電力消費量が増大し、さらに密に詰め込まれているため、その電力消費やエアコンにかかる電気代がかさみつつある。
チップやサーバのメーカー各社は、コンピュータの1ワットあたりのパフォーマンスを向上させることに努めているが、当面はこの液体冷却が役に立つかもしれない。ブレードサーバのメーカーであるEgenera、IBM、Silicon Graphicsは、コンピュータラックの背後から排出される空気を冷やす冷却システムを提供している。他方でHPのシステムは、これとは対照的に、ラック内の同じ空気を再循環させるものである、とPerezは述べている。
Perezによると、今回発売されるModular Cooling Systemの後継版は、何列にもわたるラック全体の空気を冷却するものとなるという。この製品は2007年第1四半期末までの発売が予定されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。 海外CNET Networksの記事へ
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