「思い出を手放したくない」--携帯電話リサイクルの回収台数、減少傾向続く

 社団法人電気通信事業者協会(TCA)と情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は6月26日、2006年度の携帯電話・PHSにおけるリサイクルの取り組み状況についてまとめ、公表した。

 発表によれば、2006年度の携帯電話・PHS本体の回収台数は662万2000台で、前年度実績の744万4000台から82万2000台減少し、2000年度の1361万5000台をピークに、減少傾向が続く結果となった。TCAとCIAJでは、端末の高機能化・多機能化が進展し、電話として使わなくなった携帯電話・PHSを手元に保管し続ける利用者が増えたことが原因とみている。

 また、リサイクルに関する実態を調べるため、携帯電話・PHS利用者2000人に対して実施したアンケート調査の結果についても発表した。これによると、過去1年間に買い換え・解約などで端末を処分した人の割合は32.8%で、2005年度より1.6%減少していることが分かった。

 端末を手元に置いておく理由(複数回答)としては、前年度の調査とほぼ同様な傾向で、写真やメールが残る端末を「コレクション・思い出として残す」が35%と最も多く、端末の多機能化・高性能化で「電話帳として利用」(14%)、「データのバックアップ用」(12%)、「デジカメ」(5%)、「ゲーム機」(5%)、「目覚まし時計」(16%)などの用途で利用している人も多いことが分かった。

 また、個人情報保護への意識の高まりを反映して「個人情報が漏れるのが心配」とする回答も13%と昨年同様多く見られた。一方で、「何となく」という回答も22%あり、必ずしも積極的な理由ばかりでない実態もうかがえる。

 回収数は減少傾向にあるものの、端末が不要となった際に「ゴミとして捨てた」人は16%から14%に微減し、「ショップに引き取ってもらった」人の割合は71%から62%にとどまっている。

 携帯電話・PHSのリサイクルに関する認知度に関する質問では、「知っている」人がまだ46%にとどまっており、TCAとCIAJでは、買い換え・解約時にショップ店頭での案内を強化するとともに、カタログ・取扱説明書などにおける周知、媒体広告など、認知度向上に向けた施策に引き続き力を入れていくとしている。

 また、ゴミとして処分する人をさらに減らすため、ゴミの収集を行政する自治体の周知協力が得られるよう働きかけを行うなど、リサイクル活動のさらなる普及啓発を推進するとしている。

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