バージニア州アレクサンドリア発--米連邦控訴裁判所は米国時間4月6日遅く、同日インターネット電話会社Vonageに対して下された新規の顧客獲得を禁じる差し止め命令の執行を一時的に猶予した。
ワシントンDCで提起された特許訴訟を審理する連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は、Verizon Communicationsが提起した同訴訟における当事者双方の主張を判事らが検討するまで、Vonageに対する差し止め命令の執行を猶予した。
6日朝、同裁判所でおよそ1時間に渡り審問が行われた。その中で、連邦地裁のClaude Hilton判事は、Vonageに対し、Verizonが保有するインターネット電話に関する特許を侵害し続けている間、新規申し込みの受け付けを中止するよう命じた。
CNET News.comは、Vonageの弁護士から1ページの控訴裁判所命令書(PDFファイル)のコピーを入手した。Vonageは、控訴プロセスの間の差し止め命令の解除を要求している。控訴裁は同命令書の中で、Verizonに対し、4月13日までにVonageの要求に応答するよう求めている。その命令書には、Paul Michel裁判長の署名がある。
Vonageの弁護士であるRoger Warin氏は、6日の審問の中で、Vonageの新規顧客獲得を禁じるHilton判事の命令に異議を唱えた。Warin氏は、(その命令は)Vonageにとって完全な差し止め命令と同じくらい脅威だとし、「頭に銃弾を打ち込むか、酸素の供給を止めるかの違いだ」と語った。
またWarin氏はHilton判事に対し、「この命令は事実上、Vonageを時間をかけて窒息死させるのに等しい。なぜなら、同社は顧客基盤を(永久には)維持できないからだ」と指摘した。Warin氏によると、Vonageの毎月の顧客回転率は2.5%だという。
一方、Verizonは今週裁判所に提出した書類の中で、Vonageに対する終局的差し止め命令を一時的に猶予することさえも反対した。Verizonの弁護団は、Vonageに対し少なくとも(新規顧客獲得禁止の)制約を課さなければ、同社は新規顧客獲得のために資源を投入し続け、その結果Verizonはさらに顧客を奪われ、顧客基盤を失う可能性があると主張した。
この特許訴訟では、連邦陪審が3月8日に、VonageがVerizonの3件の特許を侵害したという評決を下した。Hilton判事はそれを受け、Vonageに対し新規顧客獲得禁止命令を下した。またVonageは、5800万ドルの損害賠償金の支払いも命じられた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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