Microsoftは米国時間4月2日、教育機関向けに割引価格で提供されるWindowsやOfficeを通常のユーザーに販売したグループに対し、対抗措置を講じると発表した。
Microsoftは、すでに9件の訴訟を提起しており、また、法的措置を講じると警告する内容の書簡50通以上を送付したという。訴訟は米国内で提起されたが、標的としているのは国際的に事業展開しているグループだ。これらのグループは、ヨルダンやその他の中東諸国に拠点を置く学校相手の再販業者を装い、値引きされたMicrosoft製品を米国内で再販売している。
Microsoftは声明で「これらの企業は、(Microsoft製)ソフトウェアを学生に提供せず、米国内のオンライン小売業者に販売し、膨大な額の違法な利益を得ている疑いがある」と述べた。
またそれらの業者から製品を仕入れたオンライン小売業者の多くは、何の疑いも持たない米国の消費者をだまし、彼らの使用が許可されていないソフトウェアを通常の小売価格で販売し、法外な利益を得ているという。
Microsoftによると、違法業者の中でも最大規模のEDirectSoftware.comはすでに和解に応じ、和解金として現金と不動産を合わせて100万ドル以上をMicrosoftに支払うことに合意しているという。またMicrosoftからの書簡を受け取ったその他の業者もソフトウェアの販売中止に合意しているという。
大手ソフトウェアメーカーで構成されるソフトウェアの権利保護を目的とした非営利団体Business Software Alliance(BSA)が調査会社に委託して実施した調査によると、2005年の全世界におけるソフトウェアに対する海賊行為による損失額は340億ドルに上り、2004年から16億ドル増加した。Microsoftは長年、ソフトウェアの海賊行為の撲滅に取り組んでおり、これまでも海賊行為に対する措置を講じたり、PC上のライセンスをチェックするツールを開発するなど、多面的なアプローチを取ってきた。
教育目的の製品には、「Student Media(学生向けメディア)」や「Not for retail or OEM distribution. Not for resale(小売、OEM販売、再販は禁止)」と表示されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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