ソーラーパネルは、電気代の節約や温室効果ガスの排出量削減に役立つ。ただ、残念なことに大半のパネルは見栄えが悪い。
そんなソーラーパネルの外観が変わっていく可能性がある。カナダのモントリオールに拠点を置くICP Solar Technologiesは、2007年中に、太陽電池を内蔵したルーフタイルを発売する。従来は、広告板のようなフレームに複数のソーラーパネルをはめ込んだものを屋根の上に取り付けていたが、ICPの製品は太陽電池とタイルが一体化しているため、従来のソーラーパネルよりも見栄えは良くなるだろう。
「われわれは、すでにスペインの建築業者と契約を締結した」とICPの最高経営責任者(CEO)であるSass Peress氏は語る。
スペインは、世界で最も急成長を遂げているソーラー市場の1つだ。その理由の1つとして挙げられるのが、同国で最近制定された法律だ。同法は、新たに家を建てる際に、太陽熱温水器や太陽電気パネルといった再生可能エネルギー技術を組み込むことを義務付けている。
今から1年以上前に、ソーラーパネルシステムの専門企業PowerLightが、Grupe Homesなどの住宅開発業者向けに、太陽電池内蔵ルーフタイルの販売を開始した。Grupe Homesは、カリフォルニア州に建設した複数の住宅にそれらのルーフタイルを使用した。開発業者によると、それらのソーラールーフタイルを導入するには、住宅1軒当たり1万5000ドルの追加コストがかかるが、1年間におよそ1300ドル分の電気代が節約でき、さらにリセールバリュー(再販価格)の上積みも見込めるという。複数の不動産業者によると、ソーラータイルを設置した住宅の売れ行きは上々だという(PowerLightはその後、ソーラーパネルメーカーのSunPowerに買収された)。
ソーラールーフタイルは、元々、太陽熱発電システムの導入コストを軽減する手段と考えられた。ソーラーシステムにかかるコストのおよそ半分が、屋根への設置費用だ。太陽電池がルーフタイルに組み込まれていれば、屋根を設置するのと同時にソーラーシステムも設置されるため、導入コストは下がる。見栄えの良さはそのおまけだ、とSunPowerの最高技術責任者(CTO)であるDick Swanson氏は語る。
PowerLight製のソーラールーフタイルは硬い結晶シリコンで作られているが、ICPのルーフタイルはアモルファスシリコンで作られる。アモルファスシリコン製の太陽電池は結晶シリコン製よりも製造コストは安いが、これまで結晶シリコン製よりも信頼性で劣っていた。しかし、複数の企業がアモルファスシリコン製パネルの性能を向上させた、とICPのPeress氏は主張する。
またアモルファスシリコン製パネルは、銅とインジウム、ガリウム、セレン(CIGS)の化合物で作られたシリコンパネルとも競合することになる。CIGS製シリコンパネルとアモルファス製シリコンパネルは、どちらも薄く、柔軟性のあるフィルムにプリントされる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス