野村総合研究所(NRI)は、2011年までの国内IT主要5市場の分析と規模予測を行った。ハード市場7分野、放送市場3分野の市場規模予測結果を発表した。
ハード市場7分野の内訳は薄型テレビ、携帯電話端末、車載情報端末、デジタルカメラ、ゲーム機、デジタルビデオレコーダ、ロボット。放送市場3分野の内訳は地上デジタル放送、衛星デジタル放送(BS、CS)、ケーブルテレビ(CATV)となっている。
市場規模予測結果では、薄型テレビ、デジタルカメラ、デジタルビデオレコーダの「新3種の神器」および携帯電話は2011年まで台数ベースでの成長が維持されるとしている。ただし、継続的な製品単価下落の影響により、金額ベースでは成熟期に入ったと分析している。
薄型テレビ市場は、2011年に約1億3000万台規模に達するが、その後はほぼ横ばいになると見ている。また携帯電話市場は、2011年度に12億台規模に成長すると予測している。一方、デジタルカメラ市場は台数ベースで2008年頃の9140万台をピークに成長が止まり、金額ベースでも早ければ2007年から減少トレンドに転じる可能性があるとしている。
このほか2011年度の市場規模は、車載情報端末が462万台に成長し、デジタルビデオレコーダは3448万台、ロボットは415億円と市場が拡大し、一方、デジタルカメラは8670万台、ゲーム機は1186万台と縮小傾向になると予測している。
放送市場は、薄型テレビへの買い替え促進に後押しされ、地上デジタル放送、BSデジタル放送ともに順調な成長が見込まれるとみている。2011年度末には、地上デジタル放送は3997万世帯、BSデジタル放送は2813万世帯に普及すると見られ、金額ベースでもそれぞれ2兆1490億円、5972億円の市場になると予測している。
また、IP放送による地上波の再送信が実現されようとしていることから、有料多チャンネル放送市場では、地上系のCATV事業者とIP放送事業者、衛星系の事業者が競い合うことになり、経営統合や提携による業界再編が進んでいくとしている。
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