ソニーマーケティングはこのほど、「地上デジタル放送とテレビに関する調査」をインフォプラントを通じて実施、結果をまとめた。それによると、地上デジタル放送で最も変化を感じる「色」がもたらすテレビの価値観の変化は、視聴番組の変化へとつながることがわかった。
今回の調査は地上デジタル放送が12月から、福岡を除く九州各県、岡山、香川の計8県でスタートし、47都道府県すべてで視聴が可能となることから、テレビを取り巻く環境の変化に着目したもの。
薄型テレビの購入要因で最も多かったのは「画面のより良い色や画質の向上(60%)」、次いで「地上デジタル放送(57%)」と「大画面での視聴(57%)」が同率となり、地上デジタル放送への期待の高さが伺える結果となった。
また薄型テレビの購入により5割以上の人が「画質」に対する変化を感じている。「画質の深み」や「自然や風景の再現性」といった画質の満足度の向上が顕著に出ていることからも、「画質」の向上が映像世界を広げている様子が分かる。
「地上デジタル放送で最も良くなった点」としては「色」にまつわる特徴をあげた人が79%、各年代で70%以上と高く、特に50代は90.6%と高い数値結果となった。また地上デジタル放送の視聴により、視聴する番組に変化があったと回答した人は65%、特に50代は78.1%と多く、団塊世代の積極的な姿勢が伺える。
実際に以前より見るようになった番組は1位「映画」、2位「スポーツ」、3位「自然や風景映像」の順。さらに今後地上デジタル放送で見たいと思う番組は「旅、風景、建物」に関する番組を挙げた人が「映画」を抜いてトップという結果になった。その理由としては「色がきれい」「行けたように錯覚できそう」など、“いい色でもっと感動したい”というニーズが浮き彫りになった。
今回の調査結果について、デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏は「薄型テレビでの地上デジタル放送閲覧者は『バラエティ番組』を見なくなったことが特長として挙げられます。一方で、映画、スポーツ、自然等の本物志向のコンテンツは、ハイビジョンならではの魅力が全開になり、高い評価を受けていることはうなずける結果です。これらの結果から言えることは色再現性、高精細、大画面。この映像を表現するプラットフォームに見合うコンテンツが今こそ求められていると思います。これからのテレビは基本的な情報を伝えるだけでなく、感動を与える、情緒に訴える映像の表現装置でなければならないと思います」とコメントしている。
調査は2006年11月17〜19日。薄型テレビ所有者で地上デジタル放送を見ている20歳以上の男女各100人、合計200人を対象にネット調査によるもの。
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