ビジネスマンの情報源、ウェブ検索が新聞・雑誌を上回る--ガートナー調べ

 ガートナー ジャパンのリサーチ部門は11月8日、日本のビジネスマンのITを利用したワークスタイルに関する調査結果を発表した。

 今回の調査では、ビジネスマンが仕事で利用する情報源の利用度を、ガートナーの保有するビジネスマンの固定パネル約2000人を対象としたウェブアンケート方式で調べている。有効回答数は567。

 その結果、「検索サイトを介して入手できる情報」すなわち「ウェブ検索情報」が、「リアル」の既存メディアである「新聞・書籍・雑誌類」(74.8%)を抜いて、第1位(78.7%)になった。両者の差がわずかであることから、ガートナーでは、逆転したのは比較的最近とみる。長い間、ビジネスマンの情報源として中心的な存在だった紙媒体だが、現在、このようなリアルとウェブの逆転現象が世界中で起こっていると考えられる。この傾向は年齢が低いほど高くなっており、世代交代が進むにつれてますます高くなるものとみられる。

 第8位の「検索サイトでのみ提供されている情報」は、主にポータル・サイトを指すとみられるが、今回の調査では18.0%と、ポータル・サイトがビジネスマンの情報源としてあまり重要でなくなっていることを改めて示唆する結果となった。ガートナーではこの結果を、検索エンジンがますます重要な存在になりつつあることを示すとともに、ビジネス情報のリアルからウェブ、有料から無料(あるいは極めて低料金)への流れが加速していることを示すものと分析している。

 一方で、「講演会、セミナー」(54.6%)といったライブなリアル・メディアが第4位に位置しており、実際に足を運んで入手する情報は依然として重要であることが分かる。また、「ブログ」は3%とまだまだ少ないが、ウェブで検索してブログから情報を収集するケースも増えてきており、実際の利用度は高いと思われる。

 ガートナーは、今回の調査結果を「ビジネスマンにとってウェブ、とりわけ検索エンジンは極めて重要なものになりつつあり、知的労働者のワークスタイルが着実に変化したことを示している」ものとみている。

ビジネスマンの情報源(ガートナー ITデマンド調査室の2006年5月調査による、単位は%)
第1位検索サイトを介して入手できる情報78.7
第2位新聞・書籍・雑誌類74.8
第3位会社資料(報告書)64.1
第4位講演会・セミナー54.6
第5位研究機関・大学・政府機関、団体などからの報告書47.2
第6位会議46.3
第7位リアルなコミュニティ22.0
第8位検索サイトでのみ提供されている情報18.0
第9位テレビ・ラジオ14.1
第10位インターネット上のコミュニティ9.9
第11位口コミ7.2
第12位ブログ3.0
第13位その他1.2

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