Microsoftは米国時間10月12日、かねてから進めてきた組織再編成の一環として、Windows事業部門がセキュリティに関してより大きな責任を持つよう体制を変更した。
Microsoftは、同社のセキュリティレスポンスチーム、「Trustworthy Computing」ユニット、「Engineering Excellence」グループを1つの部署として統合し、責任者としてScott Charney氏を任命する。なお新部署は、現在はJon DeVaan氏が率いるWindows Core Operating System Division(COSD)の傘下に入る。
DeVaan氏によると、Windows部門内部にセキュリティ関連部署を移すことで、Microsoftは「より効果的かつ効率的にセキュリティの現状を把握できるようになる」と考えているという。
「アジリティが向上した新生Microsoftの姿を間もなくお見せできるだろう」(DeVaan氏)
このほかにもMicrosoftは、さらに4つの部署を立ち上げて、COSDに組み入れるという。その1つが、Windowsを対象にした単独の開発計画を手がけていくWindows Core Systemグループだ。同グループは、Ben Fathi氏を含む3名の幹部が主導する。Fathi氏はつい最近、Mike Nash氏の後任として、セキュリティ技術ユニットの責任者に就任している。
Windowsのエンジニアリングシステムおよびサービス部署はWael Bahaa-El Din氏が率い、Windows Core Architecture TeamはRichard Ward氏が担当する。一方、PC Hardwareユニットの責任者にはJawad Khaki氏が就き、コンピュータメーカーやハードウェア製造業者との協業関係を監督していく。
Trustworthy ComputingユニットはWindows開発部門傘下に入ることになったが、Microsoft全体におよぶセキュリティおよび信頼性に関する取り組みや、IT業界全体における取り組みについては、同ユニットが引き続き担当することになる、とDeVaan氏は述べている。
今回の体制変更は、2006年末に「Windows Vista」の開発が完了してから実施されるという。Vistaは、大規模な企業に対しては11月に、一般市場に対しては2007年1月に提供が始まる予定だ。
DeVaan氏は12日、「VistaのRTM(releases to manufacturing)を完成させたあとで、新体制を始動させる。今は各チームにVista一本に集中してもらいたい」と話した。
Microsoftでは2005年から全社的な組織再編が始まっているが、今回の決定はその最新の動きとなる。同社はこの再編において、3部署の運営形態を見直すと同時に、新たなWindowsおよびWindows Live統合部門の責任者に、Kevin Johnson氏を指名した。また、長期にわたってWindows部門を率いてきたJim Allchin氏が、Windows Vistaの完成を節目に引退することも明らかにされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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