米連邦判事は米国時間9月19日、コンピュータメーカーのSilicon Graphics Inc.(SGI)の再建計画を承認した。同社が、10月に米連邦破産法11条に基づく保護の適用から解除されるための第一歩となった。
1月にSGIの最高経営責任者(CEO)に就任したDennis McKenna氏によると、同社は再生計画に基づき、経営陣を刷新するとともに、取締役の総入れ替えを実施し、2007年6月30日に終了する2007会計年度中の黒字化を目指すという。
SGIは、映画「ジュラシック・パーク」などの映画で使用されるコンピュータグラフィックスシステムで一躍有名になったが、IBM、Hewlett-Packard(HP)、Sun Microsystems、Dellといった企業のコンピュータの処理能力が向上したことから、長年経営不振に苦しんできた。しかし同社は、再生に向け、いくつかの対策を講じてきた。1月にはMcKenna氏を新CEOに指名し、3月には全従業員の12%を解雇し、さらに5月には破産法に基づく保護を申請した。またSGIは、同社独自のMIPSプロセッサとUNIX系オペレーティングシステム(OS)「IRIX」をベースにしたコンピュータの製造を中止した。
「われわれにとっては、新生SGIという感覚だ。これはまさに、SGIの再建だ」(McKenna氏)
McKenna氏によると、同社は規模の縮小も図るという。同社の従業員数は、リストラ前は2200人だったが、現在はわずか1600人だ。McKenna氏によると、人件費の削減により、年間1億5000千万ドルの経費削減に成功したという。
また、現在市販されているSGI製品の4分の3は過去9カ月間に発売されたものだ。現在同社は、製品群をIntel製「Itanium」プロセッサを搭載した高性能システムからIntel製「Xeon」プロセッサを使用したローエンドモデルまで拡大することにより、より大きな市場に対応しようとしている。後者のアプローチにより、多数のシステムのクラスタ化が可能になる。
SGIは今後も工学、科学、研究業務向け製品の販売を継続する。また同社は、より規模の大きな、企業データ管理市場にも力を入れている。具体的には、企業データのマイニングを行い有益な傾向を探ったり、あるいはメモリ容量が膨大なサーバの販売を行ったりしている。
SGIによると、ニューヨーク州南部地区連邦破産裁判所のBurton Lifland判事は19日、同社が再生計画を実施するための全ての必要条件を満たした、との判断を下したという。「(SGIの)再生計画は、投票権を持つ債権者らの圧倒的支持を得た」(SGI)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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