ジュピターテレコム、松下などから総額474億円でCATV国内3位を買収

FujiSankei Business i.2006年08月29日 11時00分

 ケーブルテレビ(CATV)局統括運営会社最大手のジュピターテレコム(J:COM、東京都港区)は28日、松下電器産業が50%超出資する国内3位のCATV局運営会社ケーブルウエスト(大阪市中央区)を傘下に入れると発表した。

 買収総額は同社として過去最大規模の474億円。関西地域での加入促進策を強化するとともに、放送と通信の垣根が低下し競合サービスが増える変革期に備える。

 ケーブルウエストは、大阪市と大阪府北部でCATV事業を展開し、35万世帯の加入世帯を抱える。出資比率は、筆頭株主の松下が56%、印刷・出版事業を行う廣済堂(東京都港区)が8・96%、J:COMが8・58%となっている。

 J:COMは、松下と廣済堂の全株式を9月28日に取得し73・54%の筆頭株主となる。将来的には、残りの株式を買い取り、全額出資子会社にする方針だ。

 J:COMは、約223万世帯(2006年7月末)に対し、CATVに高速インターネットと電話を加えた3点セットのサービスを提供している。今回、同社グループにケーブルウエストが加わることで、関西地域の顧客基盤が一気に拡大する。この結果、総加入世帯数は約223万から約258万に増大する。

 同時に、CATV市場のシェア(総加入世帯数ベース)も「約30%から約35%に拡大し、市場でのプレゼンス(存在感)が上昇する」(森泉知行J:COM社長)。これによりCATV2位以下を大きく引き離すのに加え、映像配信などで競合関係にある大手通信会社や衛星放送事業者に対抗したい考えだ。

 買収後は、ケーブルウエストとの間で番組・機材の調達や加入促進活動などで連携するとともに、松下との関係を強化する。これまで松下のCATV受信機器の需要家だったが、その枠を超えて受信機器やテレビ向け通信サービスの開発などで協力関係を強める。

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