Dellは米国時間7月21日、第2四半期の売上高と利益がともに市場予測を下回る見通しであると発表した。Thomson First Callが集計したアナリストらの予想値は、売上高が142億ドル、利益が1株当たり32セントというものだった。ところが、Dellが発表した見通しは売上高が140億ドル、1株当たり利益はわずか21〜23セントと、その予想を下回っている。
低価格路線でPC業界を席巻してきた同社に何が起こっているのだろうか?まずアナリストが疑っているのが、Dellではコストが上昇傾向にあるのではという点だ。またアナリストによると、法人顧客が購入を控える一方で、消費者市場が勢いを取り戻しつつある構図が、同社にとって打撃になっているという。
Dellの幹部らは直販モデルが同社最大の武器だと考えている。Dellは約20年間、小売業者にとって頭痛の種になりやすい流通や在庫の問題を回避するため、郵便、電話、インターネットで注文を受け付けてきた。こうしてDellはコストが低いことを売りにし、価格リーダーというイメージを確立してきた。
PC業界でトップのシェアを誇るようになった同社は今もこれを売り文句にしている。最高経営責任者(CEO)のKevin Rollins氏は21日、「直販モデルは、今もわれわれにとって"公然の秘密兵器"だ」と株主に語っている。
ここ数年は消費者らがPC市場にとって成長の原動力となっており、小売店でシステムを購入しようと考える消費者が多くなっていると、CurrentAnalysisのアナリストSamir Bhavnani氏は述べている。
Bhavnani氏によると、米国のPC小売市場は、市場全体の成長率である9%をはるかに上回る25%という大幅な伸びを示しているという。Dellがこの分野でのチャンスを逃す一方で、HP、Gateway、Acerなどの企業がその恩恵を受けていると同氏は語っている。
このような状況にあるなか、Dellにとって主要ビジネスである法人向けPCの市場でも、システムの買い控え現象が生じてしまった。Dellの売り上げの85%は法人顧客からのもので、これらの組織ではアップグレードサイクルに沿ってPCを購入すると、GartnerのアナリストCharles Smulders氏は述べている。最後のアップグレードサイクルが始まったのは企業がY2K問題に対応しようとPCを買い始めてから3年後の2002年頃だった。このサイクルは現在落ち着きつつあり、法人顧客による次のアップグレードは、2007年前半に登場するWindows Vistaのテストが終了した後になる見通しだ。つまり、次のアップグレードサイクルは2008年頃になる計算である。
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