投資家はもう1つの長年の懸念として、AppleがiPodで大成功を収めたにもかかわらず、PC市場でシェアを拡大できずにいる理由をJobs氏に問いただした。Jobs氏はこれに対し、「市場シェアは拡大したいと考えている。それには、Intelチップへの移行が役立つだろう」と答えた。同氏によると、680x0プロセッサからPower PCプロセッサへの移行や、Mac OSからMac OS Xへの移行などと比較して、今回の移行は当初の予想よりスムーズに進んでいるという。
Appleは、Intelチップへの製品ラインアップの全面的な切替を待つ顧客の買い控えから売上が横ばいとなり、これが多少の痛手となったことを認めている。だが、それが年末までに完了すればMacの売り上げは伸びると、Jobs氏は語った。
聴衆の質問に答えるべくJobs氏とともに壇上に上ったAppleの最高財務責任者(CFO)Peter Oppenheimer氏は、「市場シェアが1%増えれば、売上は20億ドル増える計算になる」と語った。
ある投資家はJobs氏に、DisneyのPixar Animation Studio買収によってJobs氏がDisneyの取締役に就任したことについて、それによりAppleの経営に目が行き届かなくなるとの懸念があるが、と質問した。それに対し同氏は、実際にはその逆だと答え、Disneyの取締役となったことで、PixarのCEOを兼任していたときよりもAppleに時間を費やせるようになったと説明した。
Jobs氏とAppleは、アナリストが今年も成長は鈍いとするPC市場の経済状態よりも、むしろマクロ経済環境のほうを懸念していた。
Jobs氏は、「Macのシェアが4〜5%になれば、(PC)市場が落ち込むかどうかをあまり気にせずに済む」と述べたが、しかし「原油価格が1バレル70ドルもしていれば、いずれはわれわれの生活にもその影響が出てくるのは間違いない」と指摘し、消費者経済全体の状態がAppleの運命を大きく左右する、と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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