Dellが輝きを失いつつあるのかもしれない。
調査会社Gartnerによると、第1四半期のPC出荷台数は、新興市場や消費者向け製品が好調だったことなどから、13.1%の伸びを記録したという。同期の出荷台数は、PC、ノートPC、x86サーバをあわせて5700万台となった。Gartnerと競合するIDCからも、正確な数字には多少の違いがあるものの、同様の集計結果とメーカーランキングが出されている。
しかし、米国および全世界第1位のPCメーカー、Dellはそれほど速いペースでは成長していない。同社の全世界における出荷台数の伸びは前年同期比10.2%増にとどまり、市場シェアは16.9%から16.5%へと低下した。
米国では市場全体が7.4%増加したのに対し、Dellの出荷台数はわずか0.2%増にとどまり、市場シェアは32%から29.8%へと低下した。
Dellが何年もの間、PC市場全体を上回るペースで成長を続けてきており、そしてたいていの場合は他社を大きく引き離してきた。そのことを考えると、これは重要な変化といえる。同社の出荷台数増がここまで低下したのは2001年第3四半期以来のことだが、ただしこのときには、業界全体が縮小するなかで、同社だけが成長を遂げていた。
GartnerのCharles Smulders氏がデータを綿密にチェックしたところ、Dellは年間ベースで1989年からずっと市場を上回るペースで成長してきたことが明らかになった。Dellはそれ以前も市場を上回るペースで成長を遂げていたかもしれないが、Gartnerにはデータがない。
「Dellはかなり興味深い地点に達している」とSmulders氏は言う。「消費者向け製品の価格低下が続くなかで、Dellは利益の予想値を達成するという難問に直面している。これは、ほかの競合各社がAMDのプロセッサを採用して、さらなる低価格化を実現してきたのに対し、同社がIntel重視できた結果だ」(Smulders氏)
一方で、ライバルのHewlett-Packard(HP)は復活を遂げつつある。HPの出荷台数は前年同期比22.3%増となった。その結果、全世界での市場シェアは、2005年第1四半期の13.8%から2006年第1四半期には14.9%へと拡大した。HPは、米国では出荷台数を15.3%伸ばし、市場シェアを18.5%へと拡大している。
第4位のAcerは、相変わらず最も高い成長率を誇るPCメーカーの座に君臨している。同社のPC出荷台数は第1四半期に45%増加し、また世界市場でのシェアも5%台に達した。なお、第3位にはシェア6%でLenovoがつけている。Lenovoの出荷台数は10%増を記録した。
Gartnerはさらに、プロセッサ分野でAdvanced Micro Devices(AMD)が7四半期連続でIntelのマーケットシェアを奪い続けている点も付け加えている。
Apple ComputerによるIntelプロセッサへの切替も、今のところはあまり役立っていないようだ。Appleのシェアは米国では第5位だが、世界全体ではトップ5にも入らない。米国でのシェアは3.6%から3.5%に低下した。なお、Appleの世界でのシェアは約2.3%。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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