ワシントン発--米国の政府関係者は米国時間4月11日、中国政府は著作権侵害行為に対する取り締まりを強化してきたが、まだ改善の余地があるとの見方を示した。
Carlos Gutierrez米商務長官は、世界第2位のハイテク市場を誇る中国が、ごくわずかではあるが、著作権侵害行為をより真摯に受け止めていることを伺わせる措置を講じていることは称賛に値すると語った。しかし一方で、「全ての物事に当てはまることだが、最終的な成果は全て数字で判断される」と付け加えた。
Rob Portman通商代表は、「さらなる取り締まりの強化を期待するかと問われれば、無論それを期待している」と述べた上で、「しかし、現在講じられている措置は、特に新品のコンピュータの分野で、著作権侵害行為の減少に寄与するだろう」と語った。
これらの慎重な評価は、当地で開催された米中通商貿易合同委員会(US-China Joint Commission on Commerce and Trade:JCCT)の第17回年次会議終了後、2カ国語で行われた記者会見で発言されたものだ。JCCTは米中両国の代表者で構成され、今回の会議では、技術から医薬品、牛肉に至るさまざまな貿易問題について議論した。
しかし、11日の記者会見では著作権侵害行為問題に大半の時間が費やされた。これまで中国は、この問題で厳しい評価を受けてきた。Business Software Association(BSA)の委託で実施された調査の最新結果によると、違法コピーに起因する業務ソフトウェアの推計販売損失額は2004年に35億ドルに達した。また、中国の業務ソフトのおよそ9割が海賊版であることも明らかになった。
中国の呉儀副首相によると、中国政府はすでに、全PCメーカーに対し、同国で販売される全コンピュータに正規のOSをプレインストールすることを義務付ける規則を公布したという。この規則により、正規のOSやアプリケーションが搭載されていないPCは販売できなくなる。また同国政府は、著作権侵害事件を行政機関から犯罪捜査機関に移転するプロセスの「迅速化」を目的とした規則も公布した。この措置の背景には、著作権侵害行為に対するより厳格な罰則の適用を求める人々を満足させる意図がある(Linuxが正規のOSとして認められるか否かは定かではない。呉副首相は「全コンピュータに正規のOSをプレインストールする必要があるとだけ述べた)。
また呉副首相によると、著作権を侵害していた7カ所の光ディスク工場を中国政府が閉鎖したことで、これまでに閉鎖された生産ラインの総数が、2006年3月時点で224に達したという。この措置について、米国政府はとりわけ大きな成果だとして絶賛した。
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