インターネット通信機器で圧倒的なシェアを持つCisco Systemsが、ケーブルテレビ機器メーカーのScientific-Atlantaを69億ドルで買収する計画であることを、CiscoとScientific-Atlantaの両社が米国時間18日に発表した。
CiscoはScientific-Atlantaを現金で買収する予定だ。Scientific-Atlantaは16億ドルの現金を保有しているため、実質的な買収額は約53億ドルとなる。
一般家庭向けビジネスを拡大してきたCiscoにとって、本買収は大きな意味をもつ。Ciscoは、ケーブルテレビ業界にルーティング/スイッチング機器を販売してきた実績をもち、同業界とはすでに強力な関係を築いている。そんな同社が今度は、家庭に設置される重要な機器をも所有することになる。
さらに、Scientific-Atlantaを買収することで、ビデオ市場におけるCiscoの立場は確固たるものとなる。Scientific-Atlantaの機器を手に入れることにより、Ciscoはケーブル事業者や、有料テレビ市場への参入を試みる電話会社に対し、ビデオサービスを実現するためのエンド・ツー・エンドのソリューションを提供することになる。Ciscoが提供可能なソリューションには、ケーブルテレビ事業者や電話会社のネットワークを使ってビデオコンテンツを配信するためのインフラ機器から、テレビに直接接続されるセットトップボックスにいたるまで、あらゆるものが含まれる。
Scientific-Atlantaは、セットトップボックスメーカーとして最大の規模を誇る。同社は、Motorolaとともに、ますます複雑化するこれらのデバイスの市場を独占している。またケーブルテレビ事業者と電話会社は、デジタルHDテレビ、映画、オンデマンド番組、デジタルビデオレ録画などの新サービスを提供する際の戦略の核心としてこれらのデバイスを捉えている。
従来、Ciscoは一般家庭向け製品を扱っていなかったが、徐々にこの方向へと進みつつある。2003年には、ホームネットワーキング機器ベンダーのLinksysを5億ドルで買収している。
現在までのところ、Linksysの売上の大半は家庭にあるPCとラップトップを接続するワイヤレスルータが占めている。その一方でCiscoはエンターテイメントデバイス市場への進出を進めてきた。2005年に入り同社は、Kiss Technologyという欧州の小規模企業を買収している。同社は、家庭にあるほかのデバイスと接続可能なDVDプレイヤーを製造している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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