低価格のPCを製造販売するDellが2期連続で業績不振に見舞われているが、これに対する同社の説明にアナリストは同意できないようだ。
どのアナリストも、Dellが予測した第3四半期の業績不振について、何か別の理由があると感じているようだ。Dellの説明では、米国および英国での一般消費者向け製品の販売不振と、同社製OptiPlexデスクトップ「GX270」と「GX280」のコンデンサ不良問題を、業績悪化の原因に挙げていた。
米国時間31日に行われた業績予測下方修正の発表に、同社はこれ以外の説明を加えなかった。1日に予定されていた記者会見も、話題はIntelの「Xeon Paxville」プロセッサ採用の件に絞られた。Paxvilleはプロセッサ用ソケットが4つあるサーバ用の製品だ。
言い訳はいろいろある。Dellは自社のコンピュータの価格を下げすぎたのかもしれない。Hewlett-Packard(HP)や中国のLenovoグループ、またはAcerなど、ノーブランドのPCを組み立てて販売するいわゆるホワイトボックスPC業者との競争が、米国や英国における事業の足を引っ張ったのかもしれない。
しかし、大半のアナリストが出した結論は、自らの手綱を締めることができない限り、Dellの最盛期は短期間のうちに終わるというものだ。
「Dell対HP、Dell対Acer、Dell対Lenovoの問題ではない。Dell対Dellの問題だ」とBear StearnsのアナリストAndrew Neffは投資家顧客向けのニュースレターに書いた。
Neffによると、特に最近行われたDellの最高経営責任者(CEO)Kevin Rollinsとの昼食会でNeffをはじめとするBear Sternsのアナリストが感じたのは、Dellが抱える最大の課題が、PC業界の厳しい状況でも新しい競争相手でも新しい経済環境でもなく、そのうぬぼれにあるということだった。
「Dellが大きくなりすぎたとか、複雑になりすぎたのではない」とNeffは言う。「われわれの見方はそれとは違う。Dellは競争に勝ち、勝つのが当然と考え始めたため、自己満足に陥ってしまったのではないか」(Neff)
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