サンフランシスコ発--Sun MicrosystemsとIBMは米国時間27日、Sunの「Solaris」オペレーティングシステム(OS)およびJavaソフトウェアに関して提携したことを発表した。これは、SunがIT業界のライバル企業に対し、従来より穏健なアプローチを採ろうとしていることを示す動きといえる。
Sunは、Solaris OSをIntel「Xeon」などのx86チップに対応させていく方針を打ち出しているが、IBMはこれに対し、同チップに対応するSolaris OS向けに、自社でJavaソフトウェアやデータベース、その他のサーバソフトウェアを開発する意向を明らかにして、Sunの取り組みを強力に支援することになった。IBMは、ごく初期からJavaをサポートしてきたパートナー企業の1つで、今回の提携ではSunとのライセンス期間を2016年まで延長している。
両社の提携は、Sunが当地で開催中のJavaOneカンファレンスで発表された。
「SunとIBMは、両社が緊張関係にあることで影響を受けていたユーザーを取り込むことに取り組んできた」と、SunのCOO(最高執行責任者)、Jonathan Schwartzは基調講演の中で語った。「Java開発コミュニティは活況を呈しており、オープンでだれでも参加できるというメッセージを市場に発信したい」」(Schwartz)
IBMは今後、x86チップ対応のSolaris向けに、「WebSphere」Javaソフトウェアや「DB2」データベース、「Rational」開発ツールおよび「Tivoli」管理ツールをリリースしていく。IBMのSteve Mills(ソフトウェア部門シニアバイスプレジデント)は、同社はすでにSunの「Sparc」プロセッサ搭載コンピュータ上で稼働するSolarisをサポートしているが、x86チップ版の製品も顧客の要望に応じて開発することに決定したと声明の中で述べている。同社はまた、x86およびSparcチップに対応する、最新のSolarisバージョン10をサポートするという。
Millsは、Javaに関連する提携はさらに拡大していく可能性があると、ビデオに収めた声明のなかで語った。「Javaが今後も技術インフラの重要な構成要素であり続け、世界のビジネスを活性化していくことを期待している」(Mills)
RedMonkのアナリストJames Governorの分析では、IBMがJavaをサポートすることで最も影響を受けるのはMicrosoftだという。「どのようなものであれ、Java開発コミュニティの分裂を助長する動きは、Microsoftにとっては好ましい。Javaはこの10年間、Microsoftにとって目の上のたんこぶだった。今回、IBMとSunが手を組んだことは、Microsoftにとって今後10年間の課題となる」(Governor)
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