Intelは米国時間19日に開かれた株主総会で、20億ドルを投資して、アイルランドに次世代の製造施設を建設すると発表した。
この資金は、レイクスリップにある同社敷地内での65ナノメートルプロセスを使ったプロセッサ製造工場の建築と、半導体製造機器の購入費用に充てられる。これにより、同施設は6万平方フィート拡張されることになる。新施設では2006年から新チップの出荷が始まる予定。このプロジェクトの初期段階では、Intelが2004年度に計画している36〜40億ドルの設備投資費が予算として充てられる。
Intelは同施設に20億ドルを投資するが、アイルランド政府から奨励金や補助金が出ることも明らかにしている。チップ業界の幹部によると、製造工場の建設地に関する判断は、地元政府が提案する各種助成金に左右されるケースが多いという。
Intel Capital元役員のLes Vadaszや、アナリストをはじめとする多数の人々の話によると、Intelの成功は、常に製造技術に支えられてきたという。Intelは、CEO(最高経営責任者)のCraig Barrettが1970年代に開発した「そっくりそのままコピーする」戦略に沿って、一カ所で製造プロセスを完成させ、それを世界中に広める形を目指した。この方法を使えば、Intelは新技術を素早く導入し、価格を急激に引き下げることができる。
情報筋によると、この戦略の「そっくりそのまま」には文字通りの意味があるという。そのため、アイルランドの施設もイスラエルの施設も、非常口のサインに書かれた言葉以外はほとんど見分けがつかない。
トランジスタの微細化とチップの消費電力の問題があり、65ナノメートルプロセスへの移行はどのメーカーにとっても容易ではない。90ナノメートルチップの消費電力でさえ、すでに一部製品の遅れの原因となっており、またIntelではデュアルコアチップへの移行にも着手した。
チップメーカー各社によると、45ナノメートル製造技術がデビューする2007年から2008年にかけては、チップへの多数の新技術投入が必要になるため、投資金額がさらに膨らむという。
また、2021年には、ムーアの法則に沿ったチップへのトランジスタ集積も限界に達すると見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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