インテルは5日、テクノロジーセミナーを開催し、トランジスタ内のリーク電流(電流の漏れ)を削減するための新技術を開発したと発表した。この新技術により、バッテリの駆動時間短縮と無用な発熱の原因となっていたリーク電流を従来の100分の1以下に抑制することができるという。
ムーアの法則に従い、トランジスタの集積度はますます高くなっている。インテルではすでに90nmのトランジスタが導入され、ゲート長は50nmにまで微細化されているのが現状だ。インテル取締役 開発・製造技術本部長の城浩二氏は、「2005年には65nmプロセスが、2007年には45nmプロセスが導入される予定だ。ゲート長はそれぞれ35nm、25nmとなり、プロトタイプではあるがすでに15nmのゲート長も実現している」と述べ、2010年まではムーアの法則が有効であると語った。
トランジスタが小型化するにつれ、高速化・低価格化は実現した。だが小型化に伴う業界内での大きな課題は、ゲート絶縁膜である二酸化シリコン(SiO
米Intel技術・製造本部、インテルフェロー、ロバート・チャウ氏 | |
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「インテルは、SiO
そこでインテルが開発したのが、ゲート絶縁膜に「高誘電率ゲート絶縁材料(High-kゲート・ダイエレクトリック)」という新素材を採用し、さらに従来ポリシリコンを使用していたため高誘電率材料との相性が良くなかったとされるゲート電極にメタル材料を使用するというソリューション。この2つの技術を併用することにより、リーク電流を100分の1以下に抑制することができるという。
High-kとメタルゲートを用いたソリューションの詳細は、明日都内にて開催されるゲート絶縁膜国際ワークショップ2003で紹介される。インテルでは同技術を導入した製品の量産開始時期を2007年としており、現在新トランジスタの設計を順調に進めているという。ただし同社では、同じようにリーク電流問題を解決するとされているトライゲートトランジスタとの研究も同時に進めており、「どの技術を推進していくか、現段階ではっきり方向性が決まっているわけではない。2007年の45nmプロセス導入に向けて、いろいろなオプションがあるということだ」(チャウ氏)としている。
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