シャープは1月11日、2007年3月期の連結売上高を前期比18.1%増の3兆円にする計画を発表した。150億円をかけて亀山第1工場の製造ラインを増強するほか、第8世代と呼ばれる大型のガラス基盤を使った亀山第2工場の生産能力も予定を前倒しして拡大する。
シャープは現在亀山第1工場が稼動しており、32型換算で年間489万台の生産能力を持つ。これに対して、まず3月に亀山第1工場のラインを増強して生産能力を同576万台にまで高める。
さらに亀山第2工場を10月までに稼動させ、2007年3月末までにはこの工場の生産能力を倍にする。当初の計画では2007年末までに生産能力を倍増させる計画だったが、世界的に大型液晶テレビの需要が急速に伸びていることから、これに早期に対応することにした。これにより、亀山第1、第2を合わせた生産能力は同1116万台となる。
「亀山第1、第2工場がともにフル稼働すれば、32型換算で年産2000万台規模になる」(シャープ代表取締役社長の町田勝彦氏)
このほか、2007年3月期中に生産拠点を世界5カ所に増やす計画も明らかにした。液晶パネルは引き続き国内で製造するが、海外向けの分について組み立てを海外で行う。ただし、具体的な拠点の場所については「検討中」(町田氏)とした。
中小型液晶では、既存のアモルファス液晶と同じデジタルインターフェースと同じ外形寸法を持つシステム液晶を市場に投入する。システム液晶は液晶ディスプレイのガラス上に周辺回路を形成する技術で、「アモルファス液晶よりも10%程度コストを削減できる」(町田氏)という低価格を武器に置き換えを狙う。
これらの取り組みにより、2007年3月期の液晶事業の連結売上高を前期比18.1%増の9800億円とする計画だ。
このほか、KDDIへの端末提供を武器に、2007年3月期における携帯電話端末の販売台数を前期比18.2%増の1300万台とする計画や、太陽電池事業の連結売上高を同33.3%増の2000億円にまで伸ばす計画も明らかにしている。
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