Intelと欧州のSTMicroelectronicsが、携帯電話機用に共通仕様のフラッシュメモリを製造するなど、複数の分野で提携することに合意した。これにより、携帯電話機メーカー各社が抱える問題が一部解消されることになる。
今回の提携により、両社のNOR型フラッシュメモリチップは基本的に同じものとなる。最初は既存の90ナノメートル世代のフラッシュメモリから対応し、次に新しい45ナノメートル世代へと移行していく。45ナノメートル世代は2008年ごろ市場投入され、その後数年は供給が継続する可能性が高い。
また、両社の製造するNOR型フラッシュメモリは、現在のものから45ナノメートル世代までは大きな変化がなく、サイズは縮小するが、ボードやソフトウェアの互換性は維持される。
今回の提携により、両社はNOR型フラッシュメモリの製造コスト低減も可能になる。コストは、メーカーが頻繁に損失を出す市場においては重要な要因である。
IntelとSTMicroelectronicsは、NOR型フラッシュ、NAND型フラッシュ、および標準のDRAMで使われるインターフェースやパッケージのデザインなど、ほかの技術分野でも提携する。
今回の両社の提携により、NOR対NANDという争いにおいて、NOR陣営が優位に立つ可能性も高い。NORは、NANDより搭載可能なデータ量で劣る場合が多いものの、信頼性では勝っている。携帯電話メーカー各社は、アプリケーションやコードの保存にNORを利用している。調査会社iSuppliの概算では、携帯電話機に組み込まれているフラッシュメモリの92.8%がNORだという。
NANDは、楽曲や写真を保存するメモリカードに主に採用されている。しかし、NANDを支える技術も着実に向上しており、SamsungなどのNANDメーカー各社も携帯電話会社との契約を獲得している。ここ数年の売上の伸びは、NORよりNANDの方がはるかに早い。
IntelとSTMicroelectronicsは、両社合わせてNOR市場の約40%のシェアを占めている。
通常は単独で活動することの多いIntelだが、フラッシュメモリ関連では数週間前から2件の提携をまとめている。この方針転換は、チップメーカー各社が直面している財政的および技術的課題を浮き彫りにするものだ。同社は11月にも、Micron Technologiesと共同でNANDメモリを製造することを発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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