Hewlett-Packard(HP)は、NCRのCEOであるMark Hurdを同社の次期最高経営責任者に選出したと、同社取締役会に近い情報筋が明らかにした。
Hurdは、HPが前CEOのCarly Fiorinaを退任させてから2か月も経たないうちに、同職に指名されたことになる。
前出の関係者によると、Hurdは社長兼CEOとなり、Patricia Dunnはそのまま会長職にとどまるという。Hurdの着任は、来月前半になると見られている。
「HurdはNCRで素晴らしい実績を残しており、HPが抱えるのと同様の問題に対処してきた。NCRは、小売および法人市場で事業を展開しており、HPと同じく複雑な環境の中にいる」と、同関係者は語っている。
HPの関係者は、HurdのCEO指名に関してまだコメントしていない。一方、NCRは米国時間29日に、Hurdが同社CEOを辞任し「ある大手テクノロジー企業でポストを得る」ことになるとの声明を発表した。Hurdの辞職は同日付けとなる。
「自分がCEOを務めている間に、NCRが成し遂げたことを非常に誇りに思っている。NCRには、先進的なテクノロジーと有望な市場があり、業務遂行に力を注ぐ経営陣もいるため、この勢いは今後も続くことになるだろう」と、Hurdは声明のなかで述べている。
NCRが次期CEOを決定するまでは、同社取締役のJames Ringlerが暫定CEOを務めることになる。
前出のHP関係者の話では、HPがCEOの人選に入って1カ月もしないうちに、Hurdの名が候補者の筆頭に上がったという。
こうして新しいCEOはすぐに決定したが、HPは今回の人選を始めるまで、Hurdについてよく知らなかったという。6年前、HPがFiorinaをCEOに任命した際も、Hurdは候補者には含まれていなかった。
だが今回Hurdは、HPに好印象を与えたようだ。「Hurdは若く、素晴らしい実績を持ち、この業界のことを理解している。タフさにも問題はないし、適切な人材をリクルートすることもできる」(前出のHP関係者)
Hurdは現在48歳で、1980年にNCRに入社し、徐々に出世の階段を上ってきた。セールス&マーケティング部門のシニアエグゼクティブを務めたあとCOOとなり、2003年3月にはCEOに指名されている。
NCRは、ATMやデータウェアハウジング、各種ITサービスに特化したソフトウェア/ハードウェア/サービスを提供する企業で、昨年の売上高は59億8000万ドルだった。
直近の第4四半期におけるNCRの売上高は、前年比9%増の17億9000万ドル。また、同四半期の純利益は、前年の8000万ドルから1億2400万ドルへと増加している。
NCRの株価も、HurdのCEO在任中に3倍に値上がりした。
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