今後、フジテレビがTOB戦略の見直しを迫られる可能性もあるが、今回のライブドアによる株式買付けについてフジテレビでは、「現在は状況を把握している段階で、コメントすることはない」としている。一方のニッポン放送では、「フジテレビによるTOBの最中にこのようなことになり、驚いている。現時点でコメントできることはなく、TOBの結果を見守りたい」としている。
この一方で、ライブドアの株価は朝方急落して始まったあと、一時は前日比47円高の497円まで切り返すが、「ニッポン放送株取得の意図がわからない」「社債の発行は将来の株式売買の需給悪化につながる」などの見方から、結局前日比5円高の455円で引けた。この日の売買株式数は全取引市場中3番目の大商いだった。
ライブドアの堀江氏は、この日ニッポン放送を訪問して幹部と面談したという。堀江氏は、「ニッポン放送としては、フジテレビのTOBに賛同すると発表しているため、それが完了する2月21日まで今回の件に対するコメントはできないだろう。ただ、これはニッポン放送にとっても悪い話ではないはずで、今日の面談の感触も悪くはなかった」と印象を述べた。
さらに堀江氏は、ニッポン放送株を取得する目的について、「インターネット事業を進めるにあたって、ライブドアではニュースや動画の配信などコンテンツビジネスを多く手がけている。既存メディアとの業務提携も進めてきたが、よりスピーディーに事業を進めるには、資本提携で一体となった事業展開を行う必要があると感じた」と語った。
また、ニッポン放送はフジテレビの株式を22.5%保有する筆頭株主でもある。堀江氏はこう続けた。「インターネットに比べて圧倒的なリーチを誇るテレビとラジオだが、こうした既存メディアのホームページには、番組情報しか掲載されていないので非常にもったいない。広告モデルが安泰なため、これまでテレビやラジオではユーザーから直接収益を得るようなことは考えてこなかった。しかし、今後もそうしたモデルが続くとは思えない。ポータルサイトとして番組情報だけではなくさまざまな会員サービス(IDの発行)を提供して、ユーザーへ直接コンテンツを販売したり、手数料収入を得ることも考えていかなければいけない。そうしたお手伝いを僕らならできる」と述べた。
さらに同氏は、「ライブドアにとっても、既存メディアの知名度を利用して、集客力アップを望むことができる。両社の提携は、お互いシナジー効果を生み出すことができる」として、大げさかもしれないが命をかけて今回の話を進めている」と声を荒げた。
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