PeopleSoftの取締役会がOracleによる買収提案を約103億ドルで承認した。これにより、長期にわたって繰り広げられてきた熾烈な戦いに終止符が打たれ、巨大ソフトウェアメーカーが誕生することになる。
Oracleは、買収阻止を狙ったPeopleSoftの「ポイズンピル」に関する口頭弁論のため、米国時間13日に裁判所に出廷する予定だった。この訴訟も、敵対的公開買付けが進むなかで提起された複数の訴訟のなかの1つだった。
だがOracleは13日、PeopleSoftの取締役会が自社株を1株あたり26ドル50セントで評価する取引内容に同意したと発表した。これは、Oracleの「最終入札額」である24ドルを上回り、PeopleSoftの10日の終値に対しておよそ10%のプレミアムが上乗せされた金額だ。
Oracle最高経営責任者(CEO)のLarry Ellisonは、米国時間13日に行われたアナリストとの電話会議のなかで、「PeopleSoftの保守関連の売上高が予想より大きく、また費用は予想した数字より低かった。つまり、同社の保守ビジネスの利幅が予想より大きいことが分かった」と語った。
PeopleSoftの保守ビジネスに関しては、Oracleが交渉プロセスの一環としてPeopleSoftの帳簿類に目を通せるようになって初めて実情を理解できた、とEllisonは語った。「帳簿類を見ることができなかった時点では、控えめな予想にしておく必要があった」(Ellison)
今回合意に達したビジネスソフトウェアメーカー同士の買収は、1月末に完了するとみられている。Oracleによると、この合併によって同社の第4四半期の利益は1株あたり約1セント増加し、また2006年度には各四半期とも利益が2セント増加するはずだという。
同社はまた、PeopleSoftとJ.D. Edwardsのソフトウェアを利用している企業に救済策を提供する意向があることも示唆した。J.D. Edwardsは、18カ月に及ぶOracleとの買収騒動中にPeopleSoftが買収していた。
Ellisonは、Oracleが両社のシニアエンジニアを引き続き雇用し、PeopleSoft 8のアップグレードを開発し、12〜24カ月以内にはPeopleSoft 9およびJ.D. Edwards 6を発表する計画であることを明らかにした。同氏はさらに、PeopleSoftとJ.D. Edwardsの開発チームがOracleのエンジニアリングチームとは別に業務を進める予定であることも付け加えた。
「われわれは、両社のソフトウェアを組み合わせた製品を開発するために、OracleのシニアエンジニアをPeopleSoftのエンジニアと協力させていく。PeopleSoft 10は両社の製品を組み合わせたものになるだろう。PeopleSoft 10の登場は30〜36カ月後になると思う」(Ellison)
Oracleは買収完了後に、研究開発費を1億5000万ドル削減する計画だが、この分については両社の予算から等しくカットすることになるとEllisonは述べた。
PeopleSoftの営業チームの一部は買収後も同社に残留するため、Oracleの営業人員は現在より5割程度の増員となるだろうとEllisonは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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