Microsoftによる訴訟に屈したLindowsは、同社のオペレーティングシステム(OS)の名称を変更した。
同社は14日(米国時間)、同社の販売するLinux OSを「Linspire」に改称したことと、今後は同名のウェブサイトが、同社製品の購入やソフトウェアサポートの主要オンライン窓口となることを発表した。
今回の製品名の変更は、先頃欧州で下された裁定を受けたもので、多くの関係者がこの改称を予想していた。同社は先週、MicrosoftがLindowsの名称差し止めを求めて起こした裁判により、欧州などの海外市場では別の名称を使用しなければならなくなると認めていた。
しかしLindowsは、米国内でのMicrosoftとの訴訟では一時的にせよ有利な立場にあり、同社はLindowsの名称を特定の場合や社名として今後も使用していく。
「わが社は米国や国外で勝利しているものの、世界中で訴訟を起こすというMicrosoftの戦略に対抗するには、やはり名称変更が必要だ。今回の改称により、国外での訴訟がなくなることを期待している」と、Lindows最高経営責任者(CEO)のMichael Robertsonは声明を発表している。
Microsoftは2年前、Lindowsの名称が同社のWindowsオペレーティングシステムの商標を侵害しているとして、Lindowsを提訴。両社は現在も係争中だ。Lindows側では、「windows」は一般的なコンピューティング用語だとして、この商標が無効であると主張している。
米国での訴訟の公判は、既に数回延期されているが、年内に開始される可能性が高い。この訴訟の担当判事は、Microsoftが求めていた、Lindowsへの名称差し止め命令の要求を斥けている。
LinspireはオリジナルのオープンソースLindows OSと機能も特徴も同じで、顧客にはアップグレードする必要がない、と同社は述べている。Lindowsの全ソフトウェア製品は、今後2週間でLinspireのブランド名に変更されるという。
14日時点で、Lindows.comサイトには「Lindowsは現在上訴中であり、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの人々はLindows.comウェブサイトへのアクセスおよびLindows製品の購入が禁じられている」という非常に目立つ告知が上がっている。またLinspireサイトでも同じメッセージが掲載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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