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EUの裁定はマイクロソフトの将来を左右するのか?

2004/03/25 23:47
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 欧州連合(EU)は、Microsoftに対して、同社のメディア再生用ソフトをWindows OSから取り外すよう命じる裁定を下したが、これがMicrosoftの今後の製品戦略に影響を及ぼす、法的な前例となる可能性がある。

 European Competition CommissionerのMario Montiが現地時間24日に下したこの決定では、Microsoftに対してWindows OSの2つのバージョンを提供するように命じている。ひとつは同社のオーディオ・ビデオ再生用ソフトウェア「Windows Media Player」を搭載したバージョンで、もうひとつは同ソフトを搭載しないバージョンだ。

 この裁定は、MicrosoftがMedia PlayerをOSと抱き合わせにして、RealNetworksやApple Computerなどの競合企業をメディアソフトウェア市場から締め出そうとするのを阻止するためのものだ。なお同OSは、全世界の90%以上のPCに搭載されている。

 アナリストらは、今回の裁定が即座に与える影響はごくわずかだと予想しているが、MicrosoftがWindowsの次期バージョン(開発コード名「Longhorn」)に組み込もうとしているさまざまな新機能について、疑問を呈するものとなるだろう。

 調査会社Directions on Microsoftのアナリスト、Matt Rosoffは、「Microsoftが懸念していたのは、まさにこうした前例がつくられることだ。『このやり方でWindowsを改良できるのか、あるいはサードパーティを踏みにじることになるのか』と考えなければいけない状況は、彼等にとって好ましくはないだろう」と述べた。

 EUは、MicrosoftがWindowsを利用して、ライバル企業に対抗する新しい技術を提供するというやり方に規制を加える、包括的なルールの確立を求めてきた。Microsoftの関係者によると、先週行われた和解交渉が決裂した一因は、このルールの確立に関して合意が得られなかったことにあるという。

 Microsoft CEO(最高経営責任者)のSteve Ballmerは、24日に行った報道関係者との電話会議のなかで、EUの裁定がLonghornに及ぼす影響はそれほど大きなものではないと述べた。「新たな製品の設計については、これまでと同様に進めていく」(Ballmer)。また、同氏と法務担当責任者のBrad Smithは、同社の製品開発について、米司法省との間で事前に結んでいた和解命令からすでに影響を受けていると説明した。

 「我々は、今後のWindowsの開発について、自社の開発チームに弁護士からの法的助言を与えている」とSmithは述べ、さらに「万が一、欧州の法律は米国の法律とは異なるとEUが主張しているのなら、こうした法的助言の内容も変わることになる」と付け加えた。

 Microsoftは、以前に争われた独禁法違反をめぐる訴訟で、自社にはWindowsにハムサンドでも何でもバンドルする権利があると主張したことで有名だが、その同社は今回、Windowsへの新機能の統合について、自社で相応しいと考え、しかも消費者や業界全体に利益をもたらすものなら、それを統合するのは自社の自由であるべきだと述べている。

 仮に、EUが最終的にMicrosoftに対して、Windowのコンフィギュレーション変更を強制することになった場合、この措置がMicrosoftの主張を弱める可能性がある。「もし、控訴の後に、MicrosoftがWindowsからコンポーネント(この場合はMedia Player)を取り外すよう求められることになれば、いくつかの前例ができてしまう。つまり、ひとつはMicrosoftがOS製品をいまよりもバラバラな形で提供するよう迫られる可能性が生まれるということで、もうひとつはそうした強制が実際に可能だということだ」と、RedMonkのアナリストであるSteven O'Gradyは述べている。

 EUの裁定がたとえ控訴審で覆されても、Microsoftに対する疑いが完全に晴れるということにはならないだろう。「Microsoftは控訴できるし、また実際にそうすることになるだろうが、競合企業各社もあらゆる機会をとらえて今回の事実認定を振りかざす準備を整えているだろう」(O'Grady)

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