AT&Tは、携帯電話の基地局がない地域でも衛星回線を利用して通信が可能な、新たな携帯電話「TerreStar GENUS」(PDFファイル)を発売した。
米国時間9月21日に入手可能となったTerreStar GENUSは、初期設定でAT&Tの携帯電話サービスを使用するが、へき地では衛星通信をバックアップ回線として利用するデュアルモードのスマートフォンだ。この衛星通信サービスは、音声、データ、メッセージングという3つの標準的な携帯電話サービスを提供するため、一般的なスマートフォンとして機能する。
このハイブリッド型携帯電話は、AT&Tの携帯電話サービスに不満を抱く契約者の興味をそそるかもしれないが、同社はむしろ、このモデルを大企業や政府、小規模事業者といった顧客層に向けて売り込もうとしている。具体的には、AT&TはTerreStar GENUSを、政府機関や公益事業者、輸送機関に勤務する人のほか、公的安全機関や災害復旧活動団体のメンバー向けの選択肢になることを期待している。
TerreStar GENUSは、スマートフォンとしては「Windows Mobile 6.5」を搭載し、タッチスクリーン、Wi-Fi、Bluetooth、2.0メガピクセルのカメラ、MicroSDカードスロット、フルQWERTYキーボードを備えている。
サービス提供地域は、米国、プエルトリコ、米領バージン諸島、および米国の領海に限られる。また、南方の空に位置する通信衛星との間に遮蔽物がないことが求められる。
顧客は、携帯電話本体の代金として799ドルを最初に支払う。さらに、AT&Tの携帯電話向け音声通話およびデータプランに加入する必要があるほか、月々の衛星通信登録料金として25ドルがかかる。ただし、衛星通信サービスを通じた通話、データ、メッセージは個別に課金され、契約者は、音声通話に対して1分あたり65セント、メッセージ1件あたり40セント、データ1Mバイトあたり5ドルを支払う。
約1年前の2009年9月末に初めて発表されたTerreStar GENUSは当初、発売時期を2010年第1四半期としていたが、これまで遅れていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」