Appleは2008年、「iPhone OS 2.0」をリリースして、モバイルコンピューティングの世界でほかとは一線を画す存在となった。2009年に、Appleはそれほどの大きな飛躍をすることはないが、競争の激化で形勢が不利になることもないだろう。
AppleのiPhone OS第3世代が2009年夏にリリースされる際には、これまで最も目に付いていた機能の不足がいくつか改善される予定だ。これには、バックグラウンド処理や、システム全体にわたるあらゆる種類の検索、そしてもちろん、コピー&ペースト機能の欠落が含まれる。
Appleが米国時間3月17日に行った「iPhone 3.0」プレビューのプレゼンテーションには、開発者とiPhoneユーザーという、2種類の参加者がいた。ユーザーは機能の方に興味を持っていたが、開発者は新しいソフトウェア開発キット(SDK)についてぜひ知りたいと考えていた。
まずユーザー側から詳しく見ていこう。Appleのライバル企業は、iPhone 3.0で導入された目を引く機能のほとんどが、ほかの多くのスマートフォンに見られる機能だということを即座に指摘するだろう(特にMicrosoftは米国時間3月16日と17日に熱心にコメントしていた)。
これで思い出すのは、Appleは、初代iPhoneでスマートフォン革命の口火を切ったと、モバイル業界のほとんどの人から評価されているが、自社で最も利益の大きい製品の順調な成長を維持したいのなら、競争において何も取りこぼすことはできない、ということだ。iPhone 3.0によって、Appleは2008年と同じように、iPhoneの機能についての不満を聞き、そうした難点を克服するよう取り組む姿勢を示している。
しかし、大部分において、iPhoneユーザーは、そうした機能がない自分のiPhoneに満足しているように思える。コピー&ペースト、横画面用のキーボード、真の検索機能、そしてMMSなどの主要な追加機能によって、iPhoneはさらに使いやすくなるだろう。
新しいiPhone OSに最も興奮するのは、おそらく開発者だろう。例えば、バックグラウンド通知を使用する機能によって、iPhoneや「iPod touch」のアプリケーションはずっと強力なものになる。これは、17日の一部のデモからすぐに分かった。
さらに開発者は、1000の新しいAPIを使用できるようになる。これにより、以前は使用禁止だったり、サードパーティーのアプリケーションには利用できなかったりしたiPhone機能の一部が解放されることになる。Appleはこれらのすべてに立ち入ることはしなかったが、オーディオやビデオのストリーミングや、内部のアプリケーションからのメール送信、iPhoneの近接センサの使用などを開発者がどのように行えるかについて説明した。このことは、Googleが再びiPhoneのSDKに準拠することを意味している。
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