サンフランシスコ発--マーケティング担当者たちが米国時間7月14日、15日の2日間、インターネットで10代の若者にアピールする最善の方法を見つけるため、ここサンフランシスコに集まった。その答えは携帯電話だ。
広告主は、デジタル環境にいる10代の若者にアピールするよう強く要求している。というのも、10代の若者は、オンライン、携帯電話、ビデオゲームといった形で時間の大半を過ごしているからだ。さらに、彼らには自由に使える支出が推計で年間2000億ドルある。
バーモント州に本拠を置くマーケティング会社のFuseは、10代の若者の市場におけるテクノロジの未来を探るため、ここ数週間にわたって、ソニー、MTV Networks、Yahoo、Nokiaといった企業の技術系の役員と話をした。
数ある予想の1つが、米国の10代の若者の間では、携帯電話がデスクトップの人気を上回るようになるということだ。現在、10代の若者のうち、「iPhone」などのスマートフォンを所有しているのは20%に過ぎないと推測されているが、携帯電話会社やコンテンツ会社は、スマートフォンは中米などの地域に住む10代の若者の間で急速に普及するという見解に期待している。
2日間にわたって開催された、10代の若者とテクノロジに関する「YPulse 2008 National Mashup」で講演を行った、FuseのパートナーであるBill Carter氏は、「iPhoneはオールインワンデバイスの始まりに過ぎない。携帯端末の利用が拡大し、あらゆる種類のバーコードアプリケーション、プリペイド方式のデビットカードなどが搭載されるようになるだろう」と述べた。
数年以内に、携帯電話で配信される10代の若者をターゲットにした地域限定広告が爆発的に増えると見られているのは、そのためだろう。携帯電話会社の分析では、現在、推計40億のIPアドレスで消費者をターゲットにした町レベルのコンテンツが提供されている。例えば、イギリスにあるBlykのような企業は、携帯電話で付近のナイトスポットに関する広告や情報を10代の若者に提供しており、10代の若者はこうしたサービスに登録している。
「この新しいテクノロジを使って、10代の若者に売り込みの許可を得ることができれば、急速に成長する可能性がある」(Carter氏)
しかし、携帯電話会社は、着信音、ゲーム、音楽の販売に努力しているものの、携帯電話のエンターテイメントのリーダーとして成功することはないだろうと、Carter氏は言う。Apple、Google、Yahooといった企業の方が、携帯電話にサービスを上手に「載せる」ことができるだろう。
例えば、10代の若者のほとんどは、「iTunes」ミュージックストアから購入する代わりに、友だちのコレクションからリッピングした音楽を「iPod」にダウンロードしている。「彼らは、メーカーが意図していたのと異なるコンテンツをデバイスに取り込もうとする傾向がある」とCarter氏は述べている。
当然のことながら、ほとんどの10代の若者は、ケーブルテレビと同じように、最終的には登録制の音楽サービスを購入するようになるという。Carter氏は、AppleのiTunesは、音楽を無制限でダウンロードできる月額のサービスを提供するようになると予想している。また、携帯電話会社もスマートフォンで登録制の音楽サービスを立ち上げるだろう。
Carter氏が述べたもう1つの予想は、他のテクノロジプラットフォームによって、テレビ局は壊滅させられるのではなく、むしろ救済されるということだ。アナログからデジタルへの変換により、10代の若者はポータブルデバイスでテレビ番組の生放送を見られるようになる。テクノロジにより、テレビ局は特定の視聴者をターゲットにした番組を放送でき、広告収入を増やすことができるようになると、彼は言う。
「コンテンツに比べれば、デバイスはさほど重要ではない」(Carter氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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