衛星回線の利用も促進−総務省が「デジタル・ディバイド解消戦略」を策定

 総務省はこのほど、「デジタル・ディバイド解消戦略」を策定した。

 総務省では、ブロードバンド不通地域や携帯電話不感地帯の解消を目的に、具体的施策を検討する「デジタル・ディバイド解消戦略会議」を2007年10月から開催。今回、これまで5回にわたる検討結果をまとめた報告書とともに、今後の具体的計画として、デジタル・ディバイド解消戦略が策定された。

 総務省のまとめによると、2008年3月時点でのFTTH世帯カバー率は86.5%、携帯電話のサービスエリア外居住人口は約30万人。戦略では、2010年度に光回線によるブロードバンドの世帯カバー率を90%以上にし、2010年末までに携帯電話のエリア外人口を20万人以上解消し、残り10万人を解消するための新技術の開発と実証実験を推進することが整備目標として改めて掲げられている。

 具体的には、ブロードバンド基盤と携帯電話エリア整備、地上デジタル放送、防災情報基盤などの通信基盤を一体的に推進していく考えを基本とし、運営経費などへの支援を行っていく。ブロードバンドの整備が困難な地域の解消には衛星を利用したブロードバンド環境の実現や、CATV網による高速ブロードバンド化を検討する。

 一方、携帯電話の不通エリアの解消には国庫補助率の引き上げを2008年度から行い、地方公共団体と民間事業者の負担を軽減し、エリア整備を促進するほか、フェムトセルの制度整備を2008年中に早期に完了し、導入を促進することなどが盛り込まれている。

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