携帯電話を持っていない人が身の周りに何人いるだろうか。契約数が1億台を突破した今、携帯電話は国民の大多数が持っているツールとなった。マクドナルドなどの国際的な大企業が本格的な携帯電話を使った販促を始めたことで、ひとり1台、身近に持っている販促ツールとして携帯電話の注目度がますます高まり、携帯電話を利用したキャンペーンや企業のモバイルサイトが急増している。
ユーザーに情報やクーポンなどを提供する企業のモバイルサイトへは、いつアクセスされるのだろうか。ビートレンドの携帯電話向けASPサービス群「BeMss」を利用している約800社のモバイルサイトのアクセス実績を利用し、5月1日から5月31日までのデータを調査した。1月(1月1日から1月31日まで)の時間帯別のアクセスシェアデータと比較し、その変化もみてみよう。
1月のデータと比較すると、朝〜日中のアクセスシェアが拡大し、夜〜深夜のシェアが減少している。また、深夜〜早朝において顕著に減少していることが見て取れる。前回の調査では23時がピークであったが、今回最もアクセスが多いのは15時、少ないのは4時〜5時台となった。
次にキャリア別に詳細をみてみよう。NTT docomoのアクセスのピークは23時と前回と変わらない。6時〜10時の午前中と13時〜15時のアクセスシェアが伸びている。
auは、前回の調査では3キャリア中、最も深夜時間帯のアクセスが多かったが、今回は一転しアクセスのピークが15時となった。また、この15時台のアクセスシェアは7.1%と、今回の調査において3キャリアで最もアクセスが集中している。また、5時台は0.9%と、3キャリアの中で最もアクセスシェアが低い。
SoftBankでもアクセスのピークは15時台となった。前回よりも更に日中のアクセスが伸びていることも分かる。
日中のアクセスが増えた理由のひとつに、携帯電話でインターネット利用をするユーザー層が、これまでよりも幅広い年代層に拡大されたことが挙げられる。新たな端末購入方法としての割賦方式は、初期投資コストを押さえることによって、より多くのユーザーに高速ネット接続が可能な新端末を保有する機会をもたらした。
個人でPCを保有しているユーザーはまだ、それ程多くはない。特に女性の保有率は少ないと言われている。一方で、携帯電話の契約数は1億台を超え、既にひとりが1台保有している計算だ。
少し前には、多くのテレビコマーシャルの最後に「続きはウェブで」というコメントが入っていたが、実際には「続き」が見られるインターネット環境を持たないユーザーが少なくなかった。携帯電話は、これまで「続きはウェブで」ができなかったユーザー層がインターネットにアクセスするための新たな手段となっているのではないだろうか。
実際に、ある製造メーカーではテレビコマーシャルの最後に商品サイトのドメインを表示すると、そのタイミングでモバイルサイトのアクセス数が跳ね上がるという。
携帯端末の割賦販売方式は、いままでに比べ、より幅広い年代層のユーザーの加入を促進した。そして、テレビや折り込みチラシ、ダイレクトメール、飲食店や小売店の店頭など、様々なメディアでモバイルサイトへ誘導するケースが増えている。この2つの相乗効果により、幅広い層の人が企業のモバイルサイトへのアクセスするようになったと考えられる。
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