Acerは米国時間3月3日、E-TENを2億9000万ドルで買収する計画を発表した。同社では積極的な企業買収が続いている。
E-TENは台湾に本社を置く、20年以上前に設立された企業。業務の1つとして他社製の「Pocket PC」フォンおよびPDAの製造を手がけている。だが、同社で消費者に最もよく知られているのは、発売からまだ2年たらずの消費者ブランド「glofiish」だろう。
今回のE-TEN買収から、同じく台湾を拠点とするAcerは、モバイル市場における主要プレーヤーになることを目指す考えのようだ。GatewayとPackard Bellの買収を通じ、Acerは既に第2位のノートPCメーカーだったDellを脅かす存在となっている。そして今、同社はハンドヘルドコンピュータ市場の競争に参戦する態勢を整えたようだ。
Acerの最高経営責任者(CEO)J.T. Wang氏は声明で、「E-TENの買収は、モバイル分野における当社のプレゼンスを強くそして極めて信頼性の高いものにし、世界市場におけるAcerの足場を固めるものだ」と述べた。
興味深いのは、携帯電話市場に参入したAcerが、一時的にせよ容易に獲得しやすい状態にあったMotorolaを素通りし、代わりに比較的知名度の低いE-TENを選んだ点だ。Motorolaを大幅に下回る金額で買収できたことも理由の1つだろうが、より重要なのは、E-TENが折りたたみ式携帯電話ではなく、スマートフォンの製造に特化した企業であったという点だ。
Acerはスマートフォンのトレンドの価値を認識しているようだ。今回の発表に際し、Acer会長のGianfranco Lanci氏は、「世界のスマートフォン市場は、2011年までに30%以上の成長が見込まれている、AcerはPCと通信技術の融合を通して、ウルトラモバイル分野における競争力を高めていく」と述べた。
スマートフォンは、さらに薄くなったラップトップ、という傾向をますます強めている。そして、よりスマートに、接続しやすく、強力になる一方だ。このことから、ノートPCの売れ行きが好調な企業がそれをさらに小型にしたコンピュータの販売方法を確立することは、極めて理にかなった戦略であると言える。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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