いささか回り道をしたが、エイサーはついに長い間狙っていた獲物を獲得した。その獲物とは欧州のPCメーカーPackard Bellである。
現地時間1月31日に台湾証券取引所に提出された報告書によると、台湾のPCメーカーであるエイサーはPackard Bellの親会社PB Holdingsの株式の75%を4850万ドルで購入したと、PC Worldが報じている。
調査会社Gartnerによると、エイサーは過去1年間に世界で最も急成長を遂げたPCメーカーであり、急速にランクを上げて2007年末時点では世界第3位のPCベンダーとなっており、市場全体の8.9%のシェアを獲得している。
エイサーはまた自社の存在感を強化する取り組みにも余念がなく、2007年8月には米国のPCメーカーGatewayを7億1000万ドルで買収し、さらにPackard Bellについては、ライバルの聯想集団(レノボ)も公に関心を表明していたにもかかわらず、Packard Bell買収の意向を宣言していた。Gatewayの買収ははるかに小規模なPackard Bellの買収にとって重要な鍵を握っていた。というのもGatewayが第一先買権、つまり別の企業がPackard Bellを買収しようとした場合にはカウンターオファーを提示する権利を保有していたからである。
なぜエイサーが欧州以外ではほとんど市場における認知度がない小規模なPCメーカーを獲得しようとしたのかについては、当初は一部の人間にとっては不可解だった。しかし現在では、この動きはライバルのレノボが欧州で存在感を強化するためのあらゆる試みを阻止するという意味で賢明な防衛戦略だったと見なされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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