しかし、それは可能なのだろうか。Great iPhone Hack(iPhoneに対するハッキング行為)は、1.1.2ファームウェアがリリースされたことで、ちょっとした手詰まり状態に陥ってしまった。Appleは、英国とドイツでiPhoneが発売された当日、既存のiPhoneユーザー向けに1.1.2ファームウェアアップグレードをリリースしたが、新しいiPhoneには、ブートローダー(ストレージからソフトウェアをロードするプログラム)のアップデート版を搭載していた。このブートローダーにより、ソフトウェアを使ってiPhoneのロックを解除し、他のネットワーク上で使用可能にすることが非常に難しくなり、事実上不可能になった。
Appleの最高執行責任者(COO)であるTim Cook氏は2007年10月、ロック解除目的で購入されたiPhoneの数は恐らく25万台に上るだろう、と予測した。しかし、今回は総計を確実に予想する手段が同社にないとして、予想は示さなかった。Sacconaghi氏によると、仮に2007年に販売された全iPhoneの2割(10月時点のCook氏の概算)がロック解除目的で購入されたと考えても、2007年に行方不明になったiPhoneがまだ67万台あるという。それらは一体どこに消えたのか。
恐らく、それらのiPhoneはどこかの店の棚に在庫として残っているのだろう。Sacconaghi氏はレポートの中で次のように述べている。「現在、世界にはAppleの直営店を除き、iPhoneの販売拠点がおよそ4400カ所存在する。つまり、2008年はじめの段階で、一カ所当たり150台以上の在庫を抱えている計算になる。Appleが早いペースでiPhoneを出荷し続けていることを考えると、それらの在庫は2008年の最初の数週間でさらに積みあがる可能性が高い」
Appleは依然として、2008年のiPhoneの年間販売台数1000万台を目指している。ただ、アジアや欧州の他の国々でiPhoneが発売され、新たな3Gモデルの発売や値下げ、ソフトウェア開発者用キットのリリースに伴い2月に効果的な新しいアプリケーションが提供されることがあれば、これらのいずれか、あるいはすべての要因によりAppleの目標は容易に達成することができるだろう。多くの人々がより高速なiPhoneを心待ちにしているとはとても思えない。
しかし、米国のiPhoneブームが発売後わずか6カ月間ですでに沈静化しているというのも信じ難い話だ。ただ、今週のウォール街では、Macの出荷台数の上昇やホリデーシーズンをまたいだ四半期の好調な業績にも関わらず、Appleに対する明確な懸念が広がっている。Appleの株式は今週15%下落した。確かに、今週は多くの企業にとって悪い週だった。しかし、23日と24日には広く回復基調にあったにもかかわらず、同社株価は24日も値を下げ続けた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」