PCに比べた場合の携帯電話の大きな特徴の1つは、端末によってその仕様が大きく異なることだ。キャリアによってブラウザやアプリが異なるのはもちろんのこと、同じキャリアでも機種によって表示できるデータ量や画像の大きさ、種類などが違う。それぞれに応じたサイトを作る必要があることを考えると、モバイルサービス運営者にとって、対象とする携帯電話端末をどこまで広げるかというのは大きな問題になる。
その判断をするときに大きな助けとなるのが、携帯電話機種のシェアだ。そこでこの連載では毎月1回、どういった端末がどの程度利用されているのかを、モバイルインターネットアクセス実勢データをもとに紹介していく。
データはビートレンドの携帯電話向けASPサービス群「BeMss」を利用している約600社のモバイルサイトのアクセス実績を利用する。BeMssを利用している企業の業種は金融から小売まで多岐にわたるため、より実勢に近いデータが出せる。
今回は、11月1日から30日までのアクセス実績を分析した。
まずは各キャリアのアクセスシェアを見ていこう。
au、SoftBankが若干ではあるもののポイントダウンとなり、逆にDoCoMoは前月に引き続きポイントを上げている。59%を超え、少しづつだが着実にシェアを取り返しているようだ。
次にキャリア別に端末ごとの結果を見てみよう。アクセス数の多い端末を上位5つずつ調べてみたところ、次のような結果がでた。
3キャリアとも、2007年春夏モデルが順位を上げてきている。上位25位までに占める春夏モデルの割合を調べてみたところ、DoCoMoが13.9%、auが28.6%、SoftBankが22.6%であった。DoCoMoでは他キャリアに比べて10%近く新モデルのシェアが少なく、古いモデルもよく使われているという結果になった。
DoCoMo は904iシリーズ(2007年春夏モデル)が2機種ランクインしている。904iシリーズで最初にランクインしたSH904iは前回の5位からひとつランクを上げ、4位に。12位だったN904iは、一気に5位まで上ってきた。ランキングには現れていないが、P904i(2.5%、14位)とF904i(2.5%、15位)がほぼ並んでシェアを上げてきている。
auではW41CAが首位をキープしているが、現在上位5位にランクインしている各端末のシェアは、なだらかに下降している。ランキングには表れていないが、2007年春夏モデルは6位のW53T(シェア3.2%)、8位のW52SH(シェア3.3%)を筆頭に全体的に順位を上げてきている。
カシオ端末の人気は顕著であるものの、他キャリアに比べてauは局所的な集中がない。DoCoMo、Softbankでは断トツの人気であるシャープが製造した、auで3機種目となるW52SHの今後の動きが気になるところだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス