ウェブ検索に関してだけは、Microsoftは明らかに負け組であり、同社が通常はいない位置にいる。
Microsoftの米国での市場シェアは、トラフィックデータを収集している事業者によって違うものの8%から13%の間にある。Yahoo(20%から23%のシェア)の後塵を拝しており、Google(54%から64%のシェア)にははるかに及ばない状態だ。またMicrosoftのシェアは下がっているようで、Hitwiseによれば1年前に比べ4%近くも下がっている。
Microsoftはこの距離をどう埋めようとしているのだろうか。2007年のはじめ、同社はMicrosoft Search and Winと呼ばれるプログラムを開始し、Live Searchサイトを使っているユーザーに対して報償の提供を始めた。このプログラムで、同社の今年夏の市場シェアは跳ね上がった。しかし、自社の検索エンジンを使う人に埋め合わせをする方法は、一時的な市場シェアは上昇させても、市場シェアを向上させる長期戦略としてはよいものではない。
Microsoftは検索分野全体としてライバル企業に追いつきたいと考えており、より詳細に立ち入れる専門検索を提供するいくつかの分野を設定している。現在は、有名人とエンターテインメント、製品検索、地域検索、健康分野などを専門的な検索を提供する価値のある、実りの多い分野として見ている。
MicrosoftがLive Searchサイトに新機能を追加する「Searchification 2007」イベントの直前に、CNET News.comは同社の検索および広告担当コーポレートバイスプレジデントであるSatya Nadella氏にインタビューを行い、市場シェアを上げるためにどのような計画を用意しているのか、長期的にどのように検索機能を強化していくのかを聞いた。
MSNの検索バーからのトラフィックが多く、Microsoftのブラウザをデフォルトとして選択している人からも多くのトラフィックがあります。また、われわれのツールバーをインストールしているユーザーからのトラフィックもあります。これらが上位3つのトラフィック源です。
それはおそらく本当でしょう。われわれはLive.comを本当の意味では宣伝していません。実際、われわれは今回のリリースでさえ、基本的にはLive SearchによってMSNの使い勝手を上げることに焦点を当てています。これはかなり明示的な戦略であり、その理由は、これがわれわれがよりよい検索機能を示す場を得ることができ、またMSN上で検索を行っている顧客や消費者により多くの検索を行ってもらえる方法だからです。
YahooはMSNとよく似ています。利用者は「Yahoo.com」と入力してポータルに行くわけですが、MSNはそのようなポータルのひとつであり、検索機能も持っており、われわれはこれを強調するためにイノベーションを続けています。Googleを単なる宛先サイトとして見た場合には、これに相当するのがLive Searchであり、Windows Liveやその他のサイトとともにある程度の有機的なトラフィックを生み出しつつあります。この秋にこれが目立つのは、彼らとの関わりを増やすことができるという意味でこのサイトの7000万人のユーザーが最初の市場だからであり、当面MSNを通じてマーケティングを行うことに注力していこうとしています。
これは続くと思います。われわれはLive Search Clubという一般的なロイヤルティー用のプログラムでありプラットフォームでもある仕組みを作り、われわれがこの検索市場での競争に参加していることをよりよく知ってもらい、景品などを通じてユーザーからの関与やロイヤルティーを高めています。この取り組みは今後も進めていき、これをロイヤルティープログラムの促進に使い、ユーザーとの関わりを複合的に増やしていきます。
すでにいくつかのテストケースを進めており、これについては既にお話ししています。われわれはこれも確実に進めていきます。しかし、少なくとも今年秋の焦点は、MSNを通じた消費者への働きかけになります。
いい質問ですね。競争に参加するためには、コアとなる部分を持ち、そして高付加価値な専門領域で差別化する必要があります。もし7000万人の人がわれわれの検索エンジンを使ってくれていて、われわれがコアを改善し、さらに専門領域で差別化することができれば、われわれのシェアは上昇するでしょう。
今われわれがいる位置はある意味では好ましいものではありませんが、率直に言えば、この位置で失うものはありません。われわれは前に出て、リスクを取り、イノベーションを行って、一定の分野で対等の位置に立ち、差別化したいと考えています。7000万人のユーザーというのはかなりの数であり、もし彼らにより多くの検索を行ってもらえれば、得られるものは大きいはずです。
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